SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

濱口 秀司 連続インタビュー

濱口秀司氏が語る「ストーリー、意味性」のインパクト

monogoto 濱口 秀司 氏インタビュー:第1回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

顧客が見る価値の変遷—機能、デザイン、ストーリー

濱口 秀司monogoto 濱口 秀司 氏

――最近、注目されているという「ストーリー」についてお考えになっていることをお聞かせください。

 まず、「顧客が見る価値」の変遷をざっと見てみましょう。

 30年前は機能、「利便性の時代」でした。家電業界を思い浮かべていただくとわかりやすいと思います。たとえば、3万円の洗濯機には機能が3つ、5万円なら機能が5つ付いている。測ってわかる、見てわかる価値が評価された時代です。

 20年前には、「機能にデザインという新しい価値がプラス」されるようになりました。スタイリッシュ、かっこいい、自分のライフスタイルに合っている、といった測りにくい価値ですね。

 この10年間では、僕の観察によるともう1つ、「ストーリー性、意味性」という新しい価値が入ってきています。これはもう数字では測れません。ストーリー性を備えて成功している商品やブランドの例としては、ヘッドフォンのビーツ(Beats)、エナジードリンクのレッドブル(Red Bull)、コーヒーチェーンのスターバックス(Starbucks Coffee)などが挙げられるでしょう。

 たとえばレッドブルは、機能性としては元気になる成分が入っている。デザイン性としては、アイコンがあってかっこいい象徴的なボトルがある。加えて、徹夜明けのプログラマー、ウォールストリートのトレーダーなどのハードワーカーや、F1などのエクストリームスポーツのアスリートが飲むというストーリーがつけられています。「人間の極限に挑戦すること」をつなげたストーリーをまとった状態でブランディングしているんですね。

 機能やデザインは教育機関で学べますが、ストーリーの作り方は技法として確立されていないので、まだ教えてくれるところがありません。これからの5年間で、いろんな技法が出てきて、おもしろくなるでしょう。イノベーションを成功させようとすれば、ストーリーそのもの、またその伝え方をイノベーティブに作っていかなければならなくなるでしょう

顧客が見る価値図1:機能、デザイン、ストーリー
© Hideshi Hamaguchi

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
機能、デザイン、ストーリーをユーザーはどう見るか?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
濱口 秀司 連続インタビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング