戦略策定プロセス2:マッチングステージ(2)
BCGマトリクスの作成
マッチングステージにおける3つ目の作業は、ボストン・コンサルティング・グループが提唱した「BCGマトリクスの作成」です(図11)。複数の事業やプロダクトラインを持っている場合、そのポートフォリオ管理として使われる場合が多いかと思います。これは、市場成長率と相対的市場シェアという2つの軸をベースとして、4つの象限(左上から時計回りに、花形、問題児、負け犬、金のなる木)に分類して、当該事業やプロダクトラインをプロットしていきます。円グラフの大きさは、ポートフォリオ全体に対する各々の収益性を表わしています。
BCGマトリクスでは、「金のなる木」から得た収益を「問題児」を育てるために投入しながら、「花形」を維持していき、「負け犬」からは撤退せよということを一般的に示唆します。
内部-外部要因(IE)マトリクスの作成
マッチングステージにおける4つ目の作業は、「内部-外部要因(IE)マトリクスの作成」です(図12)。これは、外部および内部影響要因の合計加重スコアを軸にして、既に計算されたスコアをマッピングしていきます。マトリクスは、9つのセルから構成され、ⅰ,ⅱ,ⅳの3つのセル(青緑色)は成長戦略、ⅲⅴⅵの3のセル(うぐいす色)は現状維持、ⅵ,ⅷ,ⅸの3つのセル(オレンジ色)は売却または清算を示唆します。
図のケースでいえば、外部影響要因の加重スコアは3.16、内部影響要因の加重スコアは3.02でしたので、IEマトリクスにおいても成長戦略を示しています。
グランド戦略マトリクス(GSM)の作成
マッチングステージにおける最後の作業は、「グランド戦略マトリクス(GSM)の作成」です。これは、市場成長と競争ポジションという2つの軸によって戦略の方向性を表すものです(図13)。これは、これまで作成してきたマッチングステージにおけるさまざまなマトリクスを総動員して、最終的な戦略の方向性を確認するために活用されるものです。