デザインの「インプット」と「アウトプット」はどう進化していくのか?
ユーザーの操作や行動といったインプットはどう変化していくのか。入矢氏は「インプットが消滅する」可能性について言及する。
今までは、インプットに対応するようにアウトプットが存在しました。つまり、ユーザーに「インプットのために行動した」という自覚が存在するわけです。しかし、AIがインプットとアウトプットの間に立つようになると、ユーザーが操作しなくてもアウトプットの体験が得られるようになります。車を例に挙げると、車を運転するにはアクセルを踏む、ハンドルをまわすといったインプットが必要でした。しかし自動運転の技術が登場すれば、目的地を伝えるだけでそのまま連れて行ってもらえる。ユーザーの体験は変わらないのに、AIなどのシステムが人間の行動を肩代わりし、インプットが消滅してしまうわけです。(入矢氏)
一方でアウトプットする場も拡張していく。今までビジュアルやテキストといった形式でアウトプットをするハードウェアが多かった。今後は、ニュースや天気の情報が「声」という手段で耳に入ってきたり、光そのものを利用して明日の天気を表現したりと、五感をデザインすることが重要になってくる。