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ブロックチェーンの可能性と課題

ブロックチェーンは「分散型社会」をもたらすのかを、組織経済学の視点で考察する

ブロックチェーンの可能性と課題:第9回

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ブロックチェーンと分散型社会

 ブロックチェーンは、なんらかの業務、すなわち貢献活動を、中央管理者なしにコーディネートできるところに本質がある。それを実現するためのインセンティブとしてコインが発行され、流通される。従来の上下関係のある階層型組織に対しては、より市場に近い分散型組織を実現する。ただし、前回見たように、分散化して業務を行う対象は人間とは限らず、デバイスなどのマシンということもありうる。

 そして、分散型組織といっても、誰かが設計し、イノベーションのリーダーシップを取らなければならない。そのため、コインの初期賦存と値上がりによる富の蓄積と集中という可能性が出てくる。ブロックチェーンが実現する「分散」は、社会的な平等や格差の縮小を保証するものではない。

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高木 聡一郎(タカギ ソウイチロウ)

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