個人的な信頼関係をベースに構築された専門家ネットワークは、今後のクリエイティブ人材にとって不可欠な資産になる
シーモアパウエルの仕事でも同様で、心理学者、ライフコーチ、SF作家、10代のアントレプレナー、南極探検隊といった多種多様な専門家に話を聞く機会がある。アイデア発想に直接貢献するようなインサイトは勿論、クライアントに対するバリューとして挙げられるポイントの1つに「メーカーには作りづらいネットワークから、メーカーには取りにくいデータを集め分析する」という要素がある。メーカーが直接ドアを叩いても、そのメーカーの競合企業が熱心に話をしてくれるわけがないし、企業名を出してしまうと議論にバイアスがかかることもある。さらに日本企業の場合、立地的言語的な理由から、国内はまだしも、国外の専門家へのアクセスやネゴシエーションの壁は高い。外部コンサルは、そうした問題をクリアして、日本企業が国外に求める情報を効果的に収集分析することができる。日本企業も、そうした外部を上手く利用しながら「良質な情報収集や信頼できる味方作り」にもっと積極的になるべきなのだ。