ツクルバ中村氏が“森的な組織”で実践する、ビジネスに必要な「直線と曲線の融合」とは

鼎談ゲスト:株式会社ツクルバ代表取締役CCO(チーフクリエイティブオフィサー) 中村 真広氏 前編

 本シリーズでは、2007年の創業時から新しい経営方法を追求してきたダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三代表取締役と、イノベーティブで協働的な組織のあり方とその実践について研究を行う宇田川元一氏(埼玉大学 准教授)が、これからの組織とそこに近づく方法について様々な方と語り合う。今回のゲストは、2011年に株式会社ツクルバを共同創業し、コワーキングスペースやリノベーション住宅の流通プラットフォームなど様々な場のデザインを手掛ける中村真広氏。前・中・後編にて、今の時代におけるリアルな場の価値や、独自の組織観などを語り合った。

[公開日]

[語り手] 中村 真広 宇田川 元一 武井 浩三 [取材・構成] やつづかえり [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 事業開発 組織開発 ホラクラシ―

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ツクルバが「co-ba」「hacocoro」「cowcamo」で目指すこと

宇田川(埼玉大学 人文社会科学研究科 准教授):
 中村さんには色々とお聞きしたいことがあるのですが、まずはツクルバがどんなビジネスをやっていて、どんなことを目指しているのか、お話しいただけますか。

中村(株式会社ツクルバ 代表取締役CCO):
 ツクルバは2011年8月に創業し、もうすぐ丸6年になります。初めに「co-ba*1」というコワーキングスペースを作りました。その後に「hacocoro*2」というパーティースペース事業を始めるなど、最初は“実空間寄り”なビジネスモデルでやっていましたが、2年前から3つ目の事業として「cowcamo*3」というリノベーション住宅に特化した不動産のオンライン流通サービスを始めました。そこからVCの資金も入れて、中小企業的な会社が、いわゆるスタートアップ的なものになっていったという感じです。

 hacocoroは現在、関連会社の株式会社APTが運営しているので、ツクルバとして直でやっているのは「co-ba」と「cowcamo」、あとは「tsukuruba design*4」と「tsukuruba technology*5」という事業横断型の組織があります。「tsukuruba design」は、空間デザイン、プロデュースをやっています。僕自身もともと建築出身なので、建築と不動産をオーバーラップさせながら場所作りをしていくというところがやりたくて。

 「tsukuruba technology」はエンジニア、デザイナーで構成される情報空間のクリエイションチームです。あそこの壁にレコードを飾ってありますけど、彼らが開発にあたるプロジェクトに、歴史的な名盤からとったプロジェクトネームをつけています。「アビイ・ロード」から始まって、頭文字をAからZまで順に揃えていこうということで、プロジェクトが終わるたびに本当のLPを買って並べていく。デジタルで形のないものを作ることが多いので、ああやって形に残しながらプロジェクトを進めていっているんです。

宇田川:
 「co-ba」は渋谷が最初で、他にもたくさんあるんですよね?

中村:
 今は16箇所ほど、日本各地に広がっています。渋谷は直営で、それ以外は各地のオーナーさんが独自で運営をしています。デザインも、都内では僕らがやることも多いですけど、地方の場合は原則、地元のデザイナーとやってくださいと言っていて、各地の「co-ba」が全然違うキャラクターを持っているんですよ。

武井(ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 共同創業者):
 デザインの地産地消みたいな感じですね。「co-ba」というブランドで、コンセプトは同じということですか?

中村:
 はい。ただ、かなり抽象化したコンセプトです。チャレンジを応援する場所であることと、地元地域のための貢献の場所や民間指導型の街づくりの場所になってほしいということ、あとはユーザーさんが相互乗り入れできるようにしましょうとか、そういういくつかの項目に共感するオーナーさんだったら暖簾分けします、という形でやっています。

タイトル株式会社ツクルバ代表取締役CCO(チーフクリエイティブオフィサー) 中村 真広 氏
1984年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。2009年株式会社コスモスイニシア入社。その後、ミュージアムデザイン業界を経て、2011年株式会社ツクルバを村上と共同創業。実空間・情報空間を横断した事業プロデュースを通じて、枠組みのデザインを行っている。

バックナンバー