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不確実な未来の「偶発性」を“Rock”する

「アイディアソン」が事業に繋がらない理由──「なぜやるか」を問う人と「コミュニティ」

第2回

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半日程度の「アイディアソン」で生まれたものに「サラリーマン人生」をかけられる?

 前回の記事で、2015年4月の始まりから紹介したイントレプレナープラットフォーム「Value Amplifier」では、開始して間もなくは多くのアイディアが寄せられたが、徐々にアイディア提案数が伸び悩んでいった。

 最初の勢いに陰りが見えたのは、アイディア提案数が合計150件ほどとなった1ヶ月後。GWを挟んだからなのかは定かではないが、ペースが一気に1/5に減少。さらに4ヶ月後の夏休み付近にはスタート時の1/20へと減少した。これは事務局としてはかなり焦ってしまうマズイ事態だ。なにしろ立ち上がりのこの時期はアピール出来るものが提案数しかないからだ。

「Value Amplifier」の応募数

 この喫緊の課題に対して作戦を立てた結果、社内で「アイディアソン」を開催し、アイディアを生み出すことにした。テーマはすでに提案されたアイディアの中から人気がありそうな分野を幾つか抽出。なるべく長時間かけたかったが、より多くの従業員に参加してもらいたいこともあり半日イベントとして数回実施したところ、集客もまずまず、場も盛り上がり、良さそうなアイディアもそれなりに生まれた。

 しかしこれがきっかけとなって提案数のペースが回復することはなかった。新規事業のアイデアプラットフォームにおいて、最初一気に提案数が伸び、その後しばらくすると伸び悩む傾向は、他社(みなさんご存知の大企業さん)でも起きていたので、毎日山のようにアイディアが提案されるという都合の良い幻想は捨て、これは世の常だと受け止めるべく腹を括った。そもそも企業の中で新規事業に興味を持ち、それを自分で進めようとチャレンジする人間がそんなに大勢いるわけがない。少し寂しかったがそれよりもアイディアを結果に結びつける方向に注力することにした。

 また、それ以上に気になる現象があった。「アイディアソンから生まれたアイディアがそこで止まってしまう」のだ。おかしい、あんなに盛り上がっていたチームもあったのにそれを実現させたいと思わないのはなぜだろうか? もちろんイベントのファシリテート等、もっと改善すべき要素もあったとは思うが、数回やってみた結果、この現象をこう結論づけることにした。

半日程度のイベントで生まれたアイディアに「サラリーマン人生」をかける気にはならない。

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「集まって考えたアイディア」よりも、事業の推進力になる「誰かの心に自然に芽生えたもの」

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この記事の著者

畑 紀行(ハタ トシユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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