汗拭きのイノベーション
日本にも多くの人のジョブを解決することで普及した製品がある。ボディーシート(使い捨ての汗ふきシート)である。ボディーシートが解決するジョブには「シャワーが使えなくても体を清潔に保ちたい」といった機能的なものや、「臭いと思われたくない」といった社会的なものがある。
夏のジメッとした季節にボディーシートが切望されるような状況は、今となってはとても想像しやすいものであろう。むしろボディーシートが発明される前は、タオルやハンカチ、あるいは訪問先でもらえるおしぼりが代替品だったことは思い出しにくいかもしれない。従来は汗を拭くという機能的なジョブしか解決することができなかったものが、清潔感やニオイといった感情的、社会的ジョブをも解決できるようになったのだ。