なぜ既存の方法では解決できない問題を、既存の方法で解決しようとするのか?
ハイフェッツらの説明はとても分かりやすく本質的である。だが、もう少し掘り下げてみると、働き方改革やイノベーションのように明らかに複雑な課題を技術的問題として捉えるのは、よく考えると不思議である。なぜ実際にはそうなってしまうのかと考えてみると、それは恐らく適応課題として取り組むことが、組織の中で当該の人間が置かれた状況から難しいからであると言える。もっと言うと、あまりに色々な人間が関与して、利害が複雑に絡み合って面倒くさいからである。勿論、ハイフェッツらの議論はこういう点にも及んでいて、適応課題の種類を4つにまとめている。