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組織変革に“社会脳”が重要だと思われる理由──アンダーマイニング効果を超えて人が主体的に生きる方法

パフォーマンス・マネジメント革新フォーラム レポート後編:松元 健二教授(玉川大学 脳科学研究所)

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脳のはたらきから“人が主体的に生きる方法”を探る──「アンダーマイニング効果」を超えて

 玉川大学脳科学研究所の松元健二教授は、「人が主体的に生きることは可能か」を脳科学の見地から追究する研究者だ。本講演では、内発的動機や高度な社会性といった人間に特徴的な性質を裏付ける脳のはたらきを解説した。なお、以下の内容は松元教授が実際に実験を行って得た研究成果だが、あくまで仮説として受け止め、どんどん批判をしてほしいという前置きの上で語られた。

 最初に紹介されたのは、内発的動機づけを支える脳の活動を調べた実験である。

 動機づけには、課題に取り組むことそれ自体が目標となる 「内発的動機づけ」、外的報酬を獲得することが目標となる「外発的動機づけ」、有能さを高めることが目標となる「達成動機づけ」など、何を目標とするかによって種類の異なるものがある。

 内発的動機づけの分かりやすい例として、松元教授はルービックキューブを挙げた。ルービックキューブで遊ぶ人の多くは、何かメリットがあるからではなく、それ自体に楽しさがあるからやるのだろう。日本でもルービックキューブが大流行した時期があるが、内発的動機づけにはそれほどの力があるのだ。

 内発的動機は自発的に起きるものであるため、外から操作して実験室で観察するのが難しい。そのため内発的動機が発生する脳のメカニズムは明らかにされていなかったが、松元教授は「アンダーマイニング効果」を利用して実験を行った。

 アンダーマイニング効果とは、ある行為が内発的動機で行われているとき、外的報酬を目標に掲げさせると内発的動機が低下する、という現象のことだ。例えば、絵を描くのが好きな子供に「上手に描けたらご褒美をあげよう」と約束する。そして子供がご褒美を目的に絵を描くようになると、「絵を描くのが楽しい」という内発的動機が抑えられ、自発的に絵を描かなくなってしまう、というようなケースだ。

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