フィヨルド（Fjord）は、ロンドンに本社を置くグローバルなデザイン・カンパニー。2013年にアクセンチュアが買収した。「フィヨルド・トレンド」は同社により年次で発表されるデザイン・トレンドをまとめたレポートだ。

発表を行ったアクセンチュアの浦辺佳典氏は、今回のフィヨルド・トレンドの中核にあるテーマが「テンション」であると述べた。テクノロジーの進展により「デジタルvs.フィジカル」「人vs.機械」「スピードvs.手作り」といった対立関係が生まれている。この対立が生み出す緊張関係から、戦いではなく相互補完により新しい価値を生むことが出来る企業が成功すると語る。

今回発表された「フィヨルド・トレンド2018」は以下の7つの項目をあげている。

1．フィジカルが反撃に
2．コンピューターにも目が
3．アルゴリズムのとりこ
4．機械による意味の探究
5．透明性への信頼
6．倫理経済
7．枠を超えたデザイン

浦辺氏は、このレポートのいくつかのポイントを紹介した。AIスピーカーやアマゾンGOなどに見られるように、これまで2次元どまりだったデジタルが、店舗や家庭などの実空間に進出し、デザインの領域が大きく変わる。コアテクノロジーは偏在し、デジタルはそれらを支える縁の下の力持ちになる。フィジカルなものが復権し、AIが画像の意味を理解し、アルゴリズムが生活者とブランドのゲートキーパーになることなどを挙げた。またこうした時代には、AIと人間が対立ではなく協業することや、企業の新しい倫理基準が必要になることなどを解説した。

「フィヨルド・レポート2018」の内容はアクセンチュアのサイトで読むことができる。
またPDFもこちらからダウンロードができる。