“ないない尽くし”の日本の環境で注目すべき3つのAI技術
投資予算も研究環境も、AIを活用するために必須のデータ蓄積もない。ないない尽くしの日本という環境で、今からどうAIに取り組んでいけば良いのだろうか。それに対し、セッションでは3つの注目すべきAI技術が語られた。
1つめは、GAN(Generative Adversarial Network)である。敵対的生成ネットワークと訳されるGANは、もともとAIを騙すAIとして研究がスタートした。AIというものは、学習するのにデータが必要である。特に、現在注目されているディープラーニングでは、従来のAIが必要とするデータ以上の、100万件、1000万件というデータが必要になってくる。こういったデータ量があって初めて、画像認識や機械翻訳、音声認識などが人間の能力よりも高い水準で行えるのだ。しかし、個々の企業で100万件、1000万件というデータを抱えている企業は殆どない。ところが、GANは種データを与えると、データをうまい具合に水増ししてくれるのだ。GANについて松尾氏はこのように説明した。