バイアスから逃れるために「既存路線」を捨て、「新路線」を採用する──既存カテゴリーでもヒットを生む方法
もうひとつ挙げておきたい注意点がある。既存の価値の延長線上には、既にバイアスがかかった目で考えられた価値しか生まれない、ということである。バイアスから逃れるためには、これまでの方向性とは異なるベクトルを持つ価値を見出そうとすることが重要である。私たちは、前者を「既存路線」、後者を「新路線」と表現している。
既存路線の延長線上で物事を考えようとすること自体が、自社都合というバイアスに囚われていることに等しい。そうではなく、新路線を見出すことを意識し、そのための努力をすることが重要である。その新路線は、現状を革新するイノベーションを生むことにつながっていく。既存路線から新路線へと切り換えるためには、それまでの価値の方向性を変える大胆な判断が必要になる。