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「インサイトフルな組織」とは?

情緒のみでは「インサイト」ではない──リサーチ結果を読み違え、“残念な新商品”を生み出さないために

第2回

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 前回は、市場が成熟しコモディティ化した結果として訪れた現代=“だいたい、良いんじゃないですか時代”においては、人を動かす隠れた心理である「インサイト」が重要であり、現状打開に欠かすことができないものである、ということを説明した。その前提をふまえて、今回はインサイトからアイディアを生み出す企業の立場から、なぜインサイトが有効なのかを考えてみたい。

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“自分都合のアイディア”で墓穴を掘っている日本企業は、「バイアス」で視野が狭くなっている

 GoogleやAmazonといったグローバル企業の存在感が強まる反面、国内外いずれの市場において、日本企業に勢いは感じられない。このような停滞した状況に陥っているのはなぜなのか。市場の成熟化などの要因は認めつつも、私たちはその大きな要因が次のようなポイントにあると考える。

企業が自分都合のアイディアしか生み出せていないから。

 たとえばUberやAirbnbは消費者の共感を得ているが故に成功している。しかし、日本企業の多くの商品開発や事業開発は、消費者の存在を見ず、自分たちの都合で考え作ったものばかり送り出している。そのため、世界から支持を受けるような共感を獲得することができず、状況の停滞を招いている。

 なぜ企業は自分都合の考え方に陥ってしまうだろうか。最も大きいのは「バイアス」の問題である。プロフェッショナルとして高度な技術を習得していくことは、思考のバイアスを獲得してしまう行為、と言い換えられる。

 企業(およびそこに所属する人々)は、自社が扱う商品やブランドはもちろん、市場やカテゴリーにおけるプロフェッショナルである。他の誰よりもそれらについて知っているといっても過言ではない。だからこそ、自らの市場で起こっている重要な事実を見逃す、あるいはそれを無視したり軽視したりしてしまう、という過ちを犯すリスクも高い。だが、そのようなリスクに多くの企業は無自覚である。バイアスのかかった目で情報を収集し、分析し、アイディアを発想し、判断を下していることが多い。

次のページ
専門性がバイアスにならぬように、研究開発では「技術」ではなく、「人」の心を研究する

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この記事の著者

大松 孝弘(オオマツ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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