未来チャレンジコンソーシアムは、VR、AI、ロボティクス、IoTなどの各領域において先進的なテクノロジーを持つ企業によって構成されている。これらの企業が持つアイデアとテクノロジーを組み合わせることで、様々な課題に対してアイデアの提案から実証実験、製品・サービス化までの支援を目指す。
さらに実証実験フェーズでは、企業一社のみでは費用面や時間、スケール面で負担となる場合を考慮し、複数企業で共同での実験を行えるように、企業版のクラウドファンディングを構築している。これにより、実証実験における一社あたりの負担を抑えるとともに、より大規模な取り組みを行うことが可能となる。
会員企業は以下の8社。
- トランスコスモス株式会社
- レノボ・ジャパン株式会社
- 株式会社エスキュービズム
- ユカイ工学株式会社
- 株式会社ブレイブソフト
- 3bitter株式会社
- スプリームシステム株式会社
- Gugenka®(株式会社シーエスレポーターズ)
また、10月4日に開催された設立発表会では、理事を務めるトランスコスモスの所年雄氏、レノボ・ジャパンの湯浅浩一郎氏、事業クリエイターの真田幹己氏が登壇し、概要について紹介した。
所氏はこのコンソーシアムを設立した経緯について「VR、AI、ロボティクス、IoTといった分野はテクノロジーがめまぐるしく進化しています。こういった情報を事業会社が一社でキャッチアップし、サービスにしていくのは非常に困難です。また、開発会社もそれぞれの専門家を揃えるのが難しくなっています。そのため、各分野に特化した企業が集まり、事業会社と一緒にサービスを創る場になればと思い設立しました」と語った。
新しいテクノロジーを取り入れたサービスを創る場合、実証実験を行うことが多いが、事業会社が実証実験を行う際には、二つの問題があるという。一つは相談フェーズにおける「相談先がない」こと、もう一つは実施フェーズにおける「実施における負担とリスクが大きすぎる」こと。未来チャレンジコンソーシアムは、事業会社が持つこれらの問題の解決し、テクノロジーを活用したアイデアの提案、実証実験の実施をすることができるという。
相談フェーズにおける「相談先がない」の解消
一つ目の相談フェーズにおける「相談先がない」について、所氏は「事業会社が何かサービスを創りたいと思っても、相談先がわからない、普段付き合いのある企業に相談しても対応できなかったり、非現実的な見積金額になったりします。我々は複数のテクノロジー先進企業による連合体を組むことで、こういった事業会社の不満を解消したいと考えています」と語った。
また、真田氏は「事業会社からは『やり方がわからない』という声をよく聞きます。事業会社は、オープンイノベーションでハッカソンをやりたいが、どのように企画・運営をすればいいかわからないという悩みを抱いています。その負担を軽くするためにコンソーシアムを使っていただければと思います」と話す。
実施フェーズにおける「実施における負担とリスクが大きすぎる」の解消
新しいテクノロジーを使った実証実験では、一社が実施するには大きすぎる費用とリスクが発生する。この実施フェーズにおける「実施における負担とリスクが大きすぎる」点について、未来チャレンジコンソーシアムでは、BtoBのクラウドファンディングの仕組みを構築し、同じような課題を持つ企業を集めて共同実験を実施していくという。
今後は、コンソーシアムのサイトに実証実験アイデアを掲載し、賛同企業を募るとしている。これによって、「一社だけでは費用やリスクが大きすぎる」問題に対して、賛同する企業を集め、費用・リスクの分散を目指す。
真田氏は「未来チャレンジコンソーシアムは、事業会社で新しいテクノロジーを使った事業に悩む担当者にとっての駆け込み寺になりたいと思っています」と話した。