変化のスピードが加速する時代――この20年間で大きく開いたMicrosoftとGEの差とは
GoogleやTwitterを経て、現在はLINEに籍を置く葉村真樹氏。セッションは、同氏のキャリアに大きな影響を与えた一節の紹介からスタートする。
変化のスピードはますます加速し、同時に舵取りはますます難しくなっていくというこのダイナミックな現象は、昔ながらの理論で説明がつくものではない
(デビッド・S・ポトラック チャールズ・シュワブ社長兼CEO『クリック&モルタル』)
この言葉に衝撃を受けた葉村氏は、「デジタルの流れに乗り遅れたらダメだ」と感じ、銀行系シンクタンクや大手広告代理店といった従来の業界から一転、IT業界に身を置くこととなった。
この危機感は、いまやビジネスにおいて当たり前の認識であり、各社デジタルトランスフォーメーションが進んでいる。しかし、アナログなシステムからデジタルへ移行することが、本質ではない。
ここで葉村氏は、マイクロソフト(以下、MS)とゼネラル・エレクトリック(以下、GE)の名を挙げる。いわずもがな、MSはテクノロジーの企業であり、GEもGEデジタルを発足するなど、IT化に積極的だ。1997年には世界の時価総額ランキングで1位(GE)と3位(MS)だった2社だが、2017年にはMSが3位だった一方、GEはトップ10から陥落してしまった。20年で時価総額に大きな差ができてしまった2社。この20年間を振り返っていく。