最終目標を数値化した「KGI」を因数分解し、最も効果が高い指標である「KPI」を策定する
サブスクリプション型ビジネスにおけるKPIを考える前に、そもそもKPIとはどのように設定されるのかを確認しておきたい。企業は、成長を義務付けられた存在だ。その核となるのが「利益」といえる。利益を生まない企業は存在し得ない。どんなに素晴らしい理念を掲げ、商品やサービスを提供していても、利益を生み出せなければ企業は生き残れない。企業にとって「利益」と「理念」が最も大切なのだ。
そこで、例えば「年間1億円の利益をあげる」という目標設定がなされる。これは「KGI(Key Goal Indicator)」と呼ばれるものだ。ただし、これだけでは、日々の活動とかけ離れている。これを分解し、会社、あるいはその中の部課などのチームごとに落とし込んだのが、「KPI(Key Performance Indicator)」だ。言うなれば、最終目標を達成するための道筋を設定し、その道を進み、ゴールに向かうための『指標』、それがKPIだと言える。
卑近な例でKPIの設定を考えてみよう。肥満気味なのでダイエットしたいとする。「痩せたい」というゴールが設定されたのだが、これでは人は行動できない。そこで「半年で10kg痩せる」という“期限の設定=数値化”が行われることになる。ここまでがKGIだ。では、半年で10kgの減量を実現するには、どうすべきか。
1ヶ月ごとに区切って、最初に1ヶ月で何kg痩せるのか、3ヶ月後に何kg痩せているのかといったマイルストーンが設定される。ここから「その数字を達成するために、何をするのか」を考えていく。例えば、「週3回、5km歩く」「間食をやめる」「1日の摂取カロリーを1600Kcal以下にする」など、さまざまな行動指標が考えられる。これが「KPIの卵」だ。このなかで、「KGI達成のために、最も効果が高いものをKPIとして設定する」ことになる。
企業の活動に話を戻すと、多くの企業は「売上」を大切にしている。それは、「利益は売上からしか生まれない」からだ。利益を出すために、いくらの売上が必要なのかがはじき出されている。つまり「利益というKGI」から「売上というKPI」に一度分解されているのだ。
KPIを策定するポイントは、この「分解」にある。ビジネスの目標・ゴールを設定した場合に、それを実現するためにどんな指標を満たしていけば良いのか、因数分解していく。そうしていくことで、KPIは決まっていくのだ。