KPIを変えないまま「サブスクリプションビジネス」をしてはいけない──鍵となる「3つの指標」とは?

第2回

 前回、社会全体が「サブスクリプション」の時代に移行していると説明した。それは「買う」から「使用する」への変化であり、「物を売る」から「コト(体験)を売る」への転換だ。そうなると、ほとんどのビジネスで支配的な影響力を持っていた売上という極めてわかりやすい指標だけで、企業を、ビジネスを、社員を評価できなくなる。今回は、サブスクリプション時代に求められるKPIについて解説したい。

[公開日]

[語り手] 佐藤 哲也 [取材・構成] 里田 実彦

[タグ] ビジネスモデル サブスクリプション カスタマーサクセス カスタマーグロース インサイドセールス

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビジネスは、「売る」から、「つながる」に変化している

 その会社の経営状態について情報を得ようとする場合、まずどの数字を見るだろうか。資本金・売上高・純利益・営業利益・自己資本比率・流動比率……。経営を判断する指標はたくさん存在するが、その中でも大きなポジションを占めているのが「売上」だ。

 だが、サブスクリプション時代には、その売上だけでは企業価値が測れなくなる。決算書では売上はわかる。だが、その売上を構成する顧客についてはわからない。新規顧客なのか、既存顧客なのか。既存顧客の場合、アップセルか、クロスセルか。そして、「何年、お付き合いがある会社なのか」。

 例えば、あなたが株を購入したいとき、様々な指標で企業を知ろうとするはずだ。当然、売上高も見る。だがその売上のほとんどが新規顧客で構成されている、創業20年の会社をどう思うだろう。同じ売上高でも、3分の2が継続的に売上を上げている既存顧客で構成されている会社と、どちらを評価するだろうか。

 多くの人は、後者の企業を高く評価するだろう。その突き詰めた形がサブスクリプションビジネスになる。もちろん、売上は大切だが、それ以上に「いかにお客さまとつながっているか」が注目すべき指標となる。売上だけではなく、顧客数も見る。顧客数に加えて、契約年数も求められる。例えるなら、企業の従業員数だけではなく、「平均勤続年数」も見るという意識に近い。ビジネスが「売る」から、「つながる」に変化するいま、従来の指標では価値を測るのに十分ではないのだ。

 当然、ビジネスの現場では新たなKPIが求められる。売上月間目標だけを追いかければいい時代は終わったのだ。

バックナンバー