コミュニケーションツールの切り替えという「面倒」をハブとして解消し、「メール」と「定例会議」が減少
――いま、多くの企業は社内コミュニケーションツールの導入に積極的です。実際、多くのツールがリリースされていますが、そのなかで、Slackの特徴はどのような点になるのでしょうか?
佐々木:細かな機能の違いはたくさんあると思うのですが、最大の違いは「使う人が、好きで使ってくれている」ということに尽きると思います。先にお話したように、まだ日本語版がないのに、わざわざ英語版で導入するのもその現れの一つです。
お客さまが、Slackを好きでいてくれる理由は、大きく3つあると考えています。1つ目は「チャンネル機能を使うことで、直感的に意識を共にするメンバーと情報を共有できる」こと。2つ目は、「Slackの上で仕事が起こっている」ということです。ビジネスツールとして理解されている。最後が「様々なアプリとの連携」です。
――最後の「他のアプリ、サービスとの連携」も大きなポイントになりそうです。
佐々木:例えば、Salesforce、Box、Dropbox、Google Drive、Twitterをはじめ、すべて合わせると1,500以上の連携アプリがあります。現在のビジネス環境では、社内のツール、取引先とのやり取りなどで、複数のコミュニケーションツールを使うことは当たり前です。いまでもメールは広く活用されています。そんな環境では、日常的に複数のツールを切り替えながら使っている。その「ツールを切り替える」という細かな面倒が、Slackを使うことで解消されます。いわば、Slackがコミュニケーションツールの「ハブ」となるわけです。先にお話した「Slackがビジネスコラボレーションのハブになる」と同様、様々なコミュニケーションツールのハブになる。Slackさえ見ていれば、多くのコミュニケーションツールを切り替えずに、見ていることになる。
――それは相当な効率化になりそうですね。
佐々木:当社のCEO兼共同創業者であるスチュワート・バターフィールドは「2025年までに、すべての企業コミュニケーションツールは、Slackに置き換わっているといい」と言っています。いまも使われているメールを読み、返信する作業がSlackに置き換わるだけで大きな生産性向上になります。定例会議をSlackのやり取りに置き換えて生産性向上を実現している会社もあります。
――いま、Slackを導入、あるいは検討している企業は増えていると思いますが、どのような課題がありますか?
佐々木:導入された企業の声としては、「スピードアップにつながった」「フラットな組織への変革に役立った」「軽快な業務に貢献している」というような声が挙がっています。当社でも導入企業さまでのSlack活用を支援するために「カスタマーサクセス担当の活動」を大切にしていて、いかに使いこなしていただくか、どれだけ安心して使っていただくかを重視しています。
一方で、まだまだ変化に積極的ではない企業も少なくありません。ある規模以上の会社になると、Slackを「積極的に使いたいという熱を持っていただく方」と「そうではない方」の認識に開きがあります。だからこそ、地道にファンを増やしていく。好きだと言ってくれる人をサポートして、Slackの良さ、効果を理解していただく。その環境づくりに力を入れています。連携アプリ、サービスを増やすことも、そういった価値向上につながっていくと思います。