オープンバンキングの仕組みを活用することで、銀行の法人顧客は、自社の財務データを銀行や第三者企業と安全に共有できる。これにより、資金の移動、金融商品の比較、APIを使った口座管理が容易に行えるようになる。
本調査では、大手銀行の90%は、法人顧客向けにオープンバンキング・サービスを提供する予定であると回答した。また、大手銀行の54%は、オープンバンキングによって最大10%の収益増を見込んでおり、大手銀行の35%は、最大20%の収益増を期待している。
アクセンチュアは、グローバル銀行、大企業、中小規模企業の経営幹部750人超を対象に実施したグローバル調査をもとに、「It’s Now Open Banking, Do You Know What Your Commercial Clients Want From It?(オープンバンキングの時代:法人顧客の期待)」と題するレポートをまとめた。
大手銀行の90%は、法人顧客向けのオープンバンキング・サービスへの投資をすでに開始しているか、2019年中の開始を予定している。投資規模については、このうち71%の大手銀行は最大2,000万ドル、24%の大手銀行は2,000万ドル以上と回答しており、オープンなプラットフォームの構築、第三者企業によるサービスの提供、オープンバンキング活用方法の模索などを進めている。
本調査ではまた、銀行の法人顧客の35%が、すでにオープンバンキング・プラットフォームに参加しており、さらに42%が2019年中に参加予定であることも明らかになった。なお、オープンバンキングにおいて好ましい提携相手として、大企業では72%、中小規模企業では65%が現在の取引銀行を挙げており、ノンバンクのデジタル企業を選ぶと回答した法人顧客は15%に過ぎなかった。