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シャノン村尾氏が語る、サブスクリプション時代における“インサイドセールス”と“顧客イベント”の重要性

Biz/Zine Dayセミナーレポート Vol.5:株式会社シャノン 村尾 慶尚氏

 あらゆる業種で売り切り型のビジネスからサブスクリプション型ビジネスへの移行が進んでいる。1月30日に行われたBiz/Zine Day 2019 Winterでは、すでにサブスクリプション経営において先進的な取り組みを行う多数の企業担当者が、サブスクリプション型ビジネスでの成功方法を議論した。登壇企業の1つ、株式会社シャノンはイベントのオンライン受付サービスからスタートし、現在はマーケティングオートメーションシステムをサブスクリプション型で提供する企業である。一貫してマーケティング支援システムの提供を行う同社マーケティング部部長の村尾慶尚氏が、「顧客体験を中心としたカスタマーサクセス インサイドセールスとつながるマーケティング概要」を題目に講演を行なった。その内容を紹介する。

[公開日]

[講演者] 村尾 慶尚 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 和久田 知博 [編] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] サブスクリプション カスタマーサクセス インサイドセールス

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サブスクリプション型ビジネスに必須なマーケティングの“公式”とは?

LTV/CAC>3

 講演冒頭、村尾氏はこの式をあげ、「この公式がサブスクリプション型ビジネスを行う上で、非常に重要になってきます。私も常にこの公式に追い立てられています」と話し出した。

 サブスクリプションビジネスは、一般的に継続的な成長を可能にすると言われる。しかし、サービス提供側は、今までのように導入費で一気に稼ぐということはできなくなる。黒字になるまでに時間がかかるのだ。そこで必要となるのが前述の公式を使った考え方である。

 CAC(Customer Acquisition Cost)とは新規顧客を1件獲得するコスト全体を表す。ポイントは、販促費だけでなく人件費を加えて考えることである。たとえば、営業1人が月に1件獲得する場合を考えてみよう。この場合にかかってくる人件費は、営業、インサイドセールス、マーケティングを担当する人の月給だ。仮に営業に60万円、インサイドセールスとマーケティングの人件費を営業1人あたりに割り戻した金額が20万円ずつとすると、人件費は総額100万円になる。この営業マンが受注率20%だとすると、1件受注するのに必要なアポ数は5件である。アポ獲得単価が10万円だとすると販促費は50万円になる。この場合のCACは150万円である。

 今までは、売り切りだったため、1件の獲得に対する費用対効果の計算は容易だった。ところが、サブスクリプション時代には、月額10万円といった少額になるため、150万円かけて新規顧客を獲得し、初月の売り上げが10万円という事態が発生する。売り上げがなかなか黒字化しないのだ。実態をみると、マーケティング部門は投資部門だと捉えられる。その場合、適切なコストで顧客を獲得できているか、経営陣に対して説明する必要が出てくる。その説明に使うのが、冒頭の「LTV/CAC>3」という公式である。

 LTVはライフタイムバリューを表す。顧客が解約するまでに、いくら支払ってくれるかの予測値がLTVである。LTVは平均継続期間に平均支払い金額(年額)をかけたものになる。平均継続年数は1/解約率(年)で表されるため、LTVは平均支払い額(年額)/解約率(年)で求められることになる。解約率を10%と仮定して先ほどの営業1人が月に1件獲得するモデルの例に当てはめると、LTVは10万円×12ヶ月/10%で1200万円という数字が出てくる。

 しかし実際はこのようにはいかない。なぜなら、サブスクリプションビジネスでは解約率は10%でも高いとされるのだ。そうなるとLTVは高額となり、いくらでも投資ができる計算になってしまう。また、変化の早い時代に10年先まで計算に入れるのは不自然だという話になってしまう。

 村尾氏は、マーケティング部門でLTVを利用する場合は、消極的にみて「5年」などとしたほうが実際には使いやすいと話す。先の例では10万円×12ヶ月×6年で600万円がLTVとなる。そして「LTV/CAC>3」の公式に当てはめると、600万円/150万円=4となり、LTV/CACが3より大きくなる。企業によってこの「3」という数字を何にするかは異なるだろうが、サブスクリプション型ビジネスでは、こういった公式で確認しながら、適切な顧客単価で新規顧客を獲得する必要があると村尾氏は話した。

株式会社シャノン マーケティング部部長 村尾 慶尚氏株式会社シャノン マーケティング部部長 村尾 慶尚氏
シャノンのマーケティング責任者。「SHANON MARKETING PLATFORM」を自ら活用してマーケティング課題を解決している。

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