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自律型人財に必須の“VRA”とは?

本質的な打ち手を導き出す“リフレクション”──自己・他者・ビジネスを俯瞰的に観察する方法とは?

第3回

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 新規事業を創り出す自律型人財の行動原則とはどのようなものでしょうか。第1回では、企業が継続的にイノベーションを創出できる組織となるには人財一人ひとりの「変化への対応力」を鍛えることが重要であること、またそうした力を備えた人財を「自律型人財」と定義しました。そして「自律型人財」には行動原則があり、それは「軸を創る(=Visioning)」、「変化に気づく(=Reflection)」、「試行錯誤する(=Action)」の3つであることをお伝えしました。前回の「軸を創る(=Visioning)」に続き、今回は行動原則の2つ目、「変化に気づく(=Reflection)」について具体的にお話したいと思います。

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“新しい発想”“新しい方法の発見”に威力を発揮するリフレクション

 自律型人財の行動原則の2つめの「Reflection(リフレクション)」とは、自分自身や周囲の変化に気づくプロセスの総称です。「内省」や「振り返り」といった言葉であればなじみがあり、普段から実施している人もいるかもしれません。しかし自律型人財に求めるReflectionとは、出来事を思い出して課題を抽出し、次のアクションを決める、といった内容にとどまりません。さらに、個人としてのReflectionとリーダーとしてのReflectionでは、押さえるポイントも異なります。今回は、個人としてReflectionを実施する力を高める方法を紹介します。

 そもそも「Reflection」が新規事業とどのような関係にあるのかピンとこないかもしれません。Reflectionは「新しいものを発想する」時や、事業開発を進めていく中で「新しい方法を見つけていく」時に非常に強い効果を発揮します。新規事業開発では、既存の枠組みを飛び越えたアイデアが求められ、同時に想定外の出来事に出くわすことも多々あります。その一つ一つにおいて打開策が見いだせない時こそ、これから説明するReflectionを実行していただきたいのです。

 今までにないモノやコトの創出は、過去を分析して傾向を導き出し、現在の状況に当てはめて実行するだけではうまくいきません。不具合が起きたらプロセスを分解して問題点を洗い出し、分析して原因を特定するという論理的な問題解決力だけでは進めることはできないのです。新規事業が既存事業と決定的に違うのは、過去の成功体験が使いづらいということです。

 もちろん、他の分野や他の国・地域で実現されているものを別の領域や国に当てはめることで、新たに事業を創っていくというタイムマシン的な手法もあります。こういった場合もそっくりそのまま適応するのではなく、ローカライズや業界・顧客の特性に合わせて再構成することが必要になります。

 先入観にとらわれずに注意深く事象を観察して顧客インサイト(本人も認識していない本音)を捉えなおしたり、またはもう一段視座を上げて全体像を俯瞰した上でサービス設計を見直したり、別の切り口で打ち手を見いだせないか検討していくことも必要です。

 では、Reflectionの力はどのように鍛えていくことができるのでしょうか。

 前述のとおり、Reflectionは日本語では「内省」や「振り返り」と表現できます。自分をしっかりと観察し理解することです。しかし自分の姿は鏡がないと見えないように、自分を省みるのにもツールが必要です。「人は物事を見たいようにしか見ていない」とも言われるように、実際にやってみると自らの内面や状況を客観視するのは難しいのです。そこでポイントになるのが「俯瞰的に見る」ということ。と言われても、なかなかイメージしにくいと思いますので、まずは「自分起点」「他者起点」で自らを観察していく方法をご紹介します。

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この記事の著者

杉山 誠(スギヤマ マコト)

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