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意思決定プロセスを変革するOKRとは?

ブレインパッド、Speee、Yappliが語るOKRの実践例──導入企業が語る課題と柔軟な運用方法

第6回 OKRセミナーレポート

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 これまで本連載で紹介してきたOKR。日本でも導入する企業が増えているが、すでに運用フェーズに入っている企業はどのようにOKRを活用しているのだろうか。  2019年4月10日、OKRのクラウドツールを開発するResily株式会社主催のセミナーで、株式会社ブレインパッド上川晃二朗氏、株式会社Speee大場光一郎氏、株式会社Yappli角田耕一氏が、モデレーターを務めたResily株式会社の西川哲郎氏とともにOKRの導入から運用までのつまずきや乗り越え方を語り合った。そのセミナーの内容を紹介する。

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データ活用全盛の時代だからこそ、人間の“意志”や“野望”が重要になる──ブレインパッド内でのOKR運用

 ブレインパッドは、全日本女子バレーボールの戦況予測から金融取引の不正検知、不動産物件画像の自動仕分けや大型商業施設のマーケティング分析など、多岐にわたる分野に対してAI/データ解析技術を活用して支援する企業である。

 そのブレインパッドが自社プロダクト開発・提供部門においてOKRを導入した理由を、上川氏はこう話す。

AIやデータ全盛の時代だからこそ、意志や夢、野望がより重要になります。データによって可視化できる予測可能な成長度合いよりも高い伸びを、人間の意志や行動によって“起こす”ことができるのです。

 OKR導入以前には、上川氏が所属する部門ではいくつかの課題を抱えていたという。各部署で共通の目標に向かって協働ができない。他部署が何をやっているのか分からない。権限委譲ができない。部門目標に紐付いた部署目標が設計されていない。目標設定をしても、期中の振り返り・改善があまりされない。こういった問題があったのだ。

 そこでOKRを導入したものの、最初から順調に運用できたわけではない。たとえば、当初はBiz部門(マーケティング、セールス、コンサル、サポート)とDev部門(プロダクト企画、開発、運用)に分けてOKRを設定していた。それは、直近の売り上げや利益を向上させるために取り組むBizと、将来の売り上げ・利益のために取り組むDevでは、別々の運用にした方がいいと考えたからである。しかし、OKRを分けてしまったため、共通の目線を持つことが困難であった。そこで、今期からBizとDevの上位に共通のOKRを設定して運用をしている。

 また、BizとDevそれぞれのOKRにも問題があった。

 Bizでは、OKRがKPIの進捗を追うダッシュボードのような使い方になってしまった。そこでダッシュボードは分けて再整備し、「野望」「やりたい」と思えることをOKRで管理することにした。

 Devでは、プロダクトマネージャーがOKRを策定した結果、開発メンバーから共感を得にくく、また作る対象機能を列挙した結果、OKRが開発計画・ロードマップのようになってしまった。そこで、素案をプロダクトマネージャーが策定し、開発メンバーとすり合わせながらまとめることにし、ロードマップは別途整備することにした。

 このように、日々工夫しながらOKRを設計・運用した結果、「課題の見える化」につながり、「やらない」、「やらなくていい」ことを意識することにつながったと上川氏はまとめた。

株式会社ブレインパッド マーケティングプラットフォーム本部 プロダクトデザイン部 兼 コミュニケーションデザイン部 部長 上川晃二朗氏株式会社ブレインパッド マーケティングプラットフォーム本部 プロダクトデザイン部 兼 コミュニケーションデザイン部 部長 上川晃二朗氏

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