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意思決定プロセスを変革するOKRとは?

わくわくできる目標設定が自律的なチームを作る──ユーザベースのコーポレート部門によるOKR運用

第8回 特別鼎談 ゲスト:松井しのぶさん、ピョートル・フェリクス・グジバチさん【前編】

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 シリコンバレーでの導入企業の躍進で注目を集める目標管理手法「OKR」。日本でも採用する企業が増え始め、OKR関連のイベントは盛況である。しかし、いざ導入すると突き当たる壁も多い。イベントでも頻繁に質問に上がるのが「コーポレート部門、バックオフィスのOKRの設定はどうするか」だ。  そんな悩みに応えるべく、Biz/ZineでOKRについて連載をしているResily株式会社の堀江真弘氏が、先日『成長企業は、なぜOKRを使うのか?』を上梓したピョートル・フェリクス・グジバチ氏とともに、株式会社ユーサベース松井しのぶ氏に、コーポレート部門のOKR活用事例を聞いた。前編では、コーポレート部門でのOKR導入の経緯とその効果について紹介する。

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「キューバに行けるチームを創る」──コーポレート部門が始めたユニークなOKR設定

堀江真弘氏(Resily株式会社代表取締役、以下敬称略):松井さんが率いるユーザベースのコーポレート部門のOKRはユニークだと聞きましたが、どういったものでしょうか。

松井しのぶ氏(株式会社ユーザベース執行役員COO、以下敬称略):私たちがOKRを導入したのは2017年9月からですが、たとえば2017年下半期のコーポレート部門のグループOKRのObjectiveは「キューバに行ける強いチーム体制を創る!」「XXX(とある企業名)より勧めたくなる会社にする!」としていました。これは当時のコーポレートのミッション、「ユーザベースの競争力を支える強いコーポレート部門をつくる」を受けてのものです。

堀江:なぜキューバだったんですか?

松井:当時たまたまキューバに遊びに行ったメンバーがいたからです。キューバではネットが繋がらなかったらしく、リモートでの仕事もできなかったという体験がありました。このメンバーの体験から、誰か一人が欠けたとしてもチームが回る体制を作ろうということで、キューバを象徴として掲げました。また、コーポレート部門はオフィスにいなくても自分たちの仕事が回るようにすべきという考えもベースにあります。

 「キューバに行ける強いチーム体制を創る!」というObjectiveに関しては部門でKRを設定し、もう1つのもう1つの「XXXより勧めたくなる会社にする!」に関しては各チームでKRを決めてもらいました。なぜその企業さんを名指ししていたかと言うと、その頃採用で候補者がバッティングすることが多く、そこで採用においてどこよりも魅力的になろうという思いがありました。

堀江:それぞれのチームはどんなOKRを立てたのでしょうか。

松井:たとえば総務チームは「カリブに行ける強いチーム体制をつくる(PJカリブ)」「オフィスをウユニ湖にする(PJウユニ)」というObjectiveを掲げました。前者は、総務チームメンバーが休暇をとってカリブに行っても総務業務が回る体制を作る。そのために、業務の属人性を排除し、業務の効率化・仕組み化・マニュアル化を目指します。後者は、世界屈指の美しさを誇るウユニ湖のようにオフィスを綺麗にし、働きやすい環境をつくることを目標としました。

堀江:キューバからカリブになったんですね。それぞれKRはどんなものだったのでしょうか。

松井Objectiveの設定は自分たちがわくわくすることが大事だと説明したため、「キューバでは私たちはわくわくしないから」と言ってカリブにしていました。KRとして設定したのは「会社の代表電話をIP電話にして携帯で取れるようにする」「オフィスの大掃除で様々な部署を巻き込む」とった内容です。年末年始に総務チームだけが電話を取るためだけに出社しなければならないという状況をなくせば、メンバーはカリブにも行けますよね。

堀江:たしかにそうですね。

松井:総務チームはそこからさらに進化し、OKRを導入した翌年のObjectiveを「社内コミュニケーションの活性化」「人×テクノロジー=ストレスフリー」とし、もっとわくわく働きたいと、チーム名も総務チームから「Waku Work Team(わくわくチーム)」に名称変更しました。社内コミュニケーション活性化のために、オフィス3階にわくわくチームが自ら運営するカフェもオープンさせました。また、テクノロジーで業務改善をするため、問い合わせに答えるbotを整備したり、マニュアルを一元化するシステムの導入を進めたりもしています。

堀江:OKRによって総務チームにものすごいマジックが起きたように感じますね。次にコーポレート部門でのOKR導入の経緯や工夫を教えてください。

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