「真のチーム」になるための6つの条件
4つの効用により変革や業績向上をもたらすチームを、カッツェンバック氏たちは「真のチーム」と呼びます。真のチームとは、共通の目的、達成目標、アプローチに合意しその達成を誓い、互いに責任を分担する補完的なスキルを持つ少人数の人たち、と定義しています。
そして、「真のチームになるための6つの条件」を明らかにしています。
- 条件1:十分に少人数
- 条件2:メンバーが互いに補完的なスキルを持つ
- 条件3:真に意義のある目的を持つ
- 条件4:具体的な目標を持つ
- 条件5:問題解決のアプローチを共有する
- 条件6:メンバーが相互の責任を持つ
このように指摘されると、齋藤ウィリアム氏の“日本にチームがない”とする指摘の意味がよく分かります。確かに日本ではこのような条件を満たすチームはほとんどないかと思います。伊賀氏と同じマッキンゼーのOBで最近『君に友だちはいらない』(講談社)というチームの本を出版された瀧本哲史氏は、この本で日本に「ありがちなチーム」は以下のような特徴があるとしています。
- 年次、経験、職位、バランスで選ばれた数多くの正式メンバー
- メンバーは固定的なスキルを持つ
- 定型的で平凡な課題と達成目標
- 目標へのコミットメントはやったふり、仕事をしたつもり
- 問題解決ごっこ
- 集団責任は無責任
ここで、「コミットメント」というキーワードが出てきます。カッツェンバック氏たちは、チームが実現できる業績に応じてチームのレベルをいくつかに分類しています。
トップにあるのが本書のタイトルになっている「高業績チーム」で、さきほど6つの条件を示した「真のチーム」は、その次に位置するものです。
高業績チームと真のチームの違いは“コミットメント”にあります。高業績チームにはコミットメントとして、メンバー個々がプロフェッショナルで、他のメンバーの目標達成を心から手伝おうとします。