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5人の実践者たちが語る、企業内起業のリアル──新規事業成功の秘訣とは?

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 新規事業に取り組む企業が増えている。自社開発からオープンイノベーション、CVCなど様々な手法が話題となるが、新規事業開発に成功することなく諦めてしまう企業も出てきた。そこで今回は「5名が語る企業内起業成功の秘訣とは」と題したイベントの様子を紹介する。ガイアックスに新卒入社後3ヶ月で創業してカーブアウトした株式会社テックピットの山田晃平氏、H.I.S.傘下として設立し、MBOを実施したH.I.F.株式会社の東小薗光輝氏、スタートアップでもあり、企業内起業でもある株式会社ミーミルの川口荘史氏、50の新規事業を手掛けてきた守屋実氏、博報堂グループで企業内起業支援会社を立ち上げた株式会社SEEDATAの宮井弘之氏が語った企業内起業の秘訣とは。モデレーターはBiz/Zineで「大企業による新規事業」のリアルを連載する畠山和也氏が務めた。

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ガイアックス、H.I.S.で企業内起業した2名が語るメリットとデメリット

畠山和也氏(本気ファクトリー株式会社 代表取締役、以下敬称略):最初に、企業内起業のメリットとデメリットを教えてください。

山田晃平氏(株式会社テックピット 代表取締役、以下敬称略):デメリットとしては、立ち上げ段階では100%新規事業に力を注げないことがあります。私はガイアックスに新卒で入社してすぐ、新規事業の立ち上げとスタートアップの支援を担当する部署に配属されました。スタートアップの支援や起業家を探す活動をしつつ、自分の事業を立ち上げることが求められていたので、リソースの配分が難しかったです。業務時間の2割ほどしか新規事業に割くことができず、その中でスピーディーに仮説検証するのが大変でした。ガイアックスのインターン生に手を動かす部分を手伝ってもらうことで何とか乗り切れましたね。

 企業内起業してカーブアウトしていくメリットとしては、大企業のリソースを活用して事業を立ち上げられる点があると思います。私たちもガイアックスに開発の支援をしてもらったり、場所の提供、広報や人材面での支援もしてもらったりしています。これは1人で独立起業には難しく、企業内起業の強みだと思います。

株式会社テックピット 代表取締役 山田晃平氏株式会社テックピット 代表取締役 山田晃平氏

東小薗光輝氏(H.I.F.株式会社 代表取締役):メリットとデメリットはそれぞれ3つずつあります。メリットとしては、

  • 資金
  • 販売網
  • 信用

があります。必要な資金は借入ではなく親会社のH.I.S.が出すというルールがあったため、起業して6ヵ月目に10億円の極度貸付額を定めてくれました。このおかげで資金繰りに困ることはなくなりました。また、全国に約1,000人いるH.I.S.の法人事業部が販売してくれたことも大きかったです。そのおかげで最初からお客様が集まり、4ヵ月目には単月黒字になりました。3つ目の「信用」も大きく、他社と協業するためのアポイントもH.I.S.という大企業の信用があってか、ほぼ断られることはありませんでした。

 一方で、デメリットとして、

  • VCが嫌がる
  • 監査法人の選択肢に制限がある
  • 親会社への事前承認が必要

という点があります。これは大企業内で起業するメリットの裏返しとして、ある程度は甘受しなければならないことかもしれませんね。

H.I.F.株式会社 代表取締役 東小薗光輝氏H.I.F.株式会社 代表取締役 東小薗光輝氏

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