この調査によると、グローバル全体で経営幹部の84%がAIの幅広い活用はビジネス戦略に不可欠であると考えている。しかし、単なる試験導入ではなく、AI機能を本格的に備えた組織の構築を実現している企業はわずか16%に留まっている。そして、この16%のトップ企業は、その他の企業と比べてAI投資から3倍近い投資対効果を得ていることも明らかになった。
この調査では、AIの本格導入に成功したトップ企業の特長として、強固なデータ基盤、複数の専任AIチームの存在、経営幹部による戦略的かつ本格的なAI導入に対するコミットメントの3要素を挙げている。これらの企業は、他企業と比べて2倍近くの実証実験を実施し、はるかに早いペースでAIの本格導入を進めている。しかも、AIへの注力が必ずしも支出拡大につながるわけではなく、トップ企業はそうでない企業に比べ、実証実験や本格導入におけるAIへの投資レベルが低いことが明らかになった。
アクセンチュア ストラテジーのマネジング・ディレクターであるアテナ・ライリ(Athena Reilly)氏は「あらゆる業界・規模の企業が成長のためだけでなく、社会から必要とされる存在であり続けるために、AIを幅広く活用しなければならないと認識しています。しかし、大半の企業は依然として、AIによって企業の競争力を高め、最大のROIを引き出すことに苦戦しています。アクセンチュアでは、データ、戦略、人材という基本事項から着手することが重要だと考えています」と述べた。