「1on1」に悩む上司、チームの進化段階によって違う対話の質
荒金氏は「確かに『1on1で話せていない』と自己評価するマネジャーも少なくないが、実際にはかなり個人的な深い話までできていることもある」と語る。「出来ているのに出来ていない」と思うその理由は、やはり「自分自身にとっては意味があった」けれど、「会社にとって意味があったのか」「課長として適切な話が出来ているのか」などの「上司として」の目線ゆえだという。
それでは1on1は何のために行うのか。通常の上司と部下の面談目的としては、給与査定、業務相談、事業成長、育成支援などがあげられるが、1on1の場合は、アイディアを拾ったり、生活の変化を聞いたり、様々な情報を得ることが重要となる。さらに、荒金氏は「もはや会社の期待を伝え、それに対してコミットする場と位置づけると、得られる情報が限られる。話したいことを話す、その中から様々な気づきやアイディアが生まれ、イノベーションの種になっていくのでは」と語り、斉藤氏も「評価や査定と明確な目的を決めるほど、それに入らない部分の話を聞き逃すことになる」と同意した。さらに荒金氏は「何でも話せる場にすることが大切。多くの企業でも雑談から始めている」と現状について語った。