本実証事業は、環境省が推進する「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の採択事業の一つであり、ユーグレナ社は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下、ユーグレナ)の特有成分・パラミロンを用いたプラスチックの開発を支援するとともに、ユーグレナの培養に際して古紙や食物残渣などから分解した糖化物を栄養分として使用することで、非可食バイオマスによる資源循環システムの構築を目指すとしている。
微細藻類ユーグレナの特有成分であるパラミロンはβ-1,3グルカンからなる多糖類で、培養方法を調整することにより高密度で生成させることが可能。同じ多糖類であるセルロースがβ-1,4結合であることに対して、パラミロンはβ-1,3結合であり、その特異な立体構造から新たな性質を持つバイオプラスチックを生成することが期待される。さらにユーグレナ社は、ユーグレナの培養にあたり、古紙や食物残渣などのセルロースを酵素糖化技術により分解した糖化物を栄養分として用いることにより、環境負荷となるゴミを活用した非可食バイオマスによる資源循環システムの構築を目指すという。
ユーグレナ社はこれまで、バイオマスの5Fの基本戦略に基づき、ユーグレナなどの微細藻類を活用して、食品をはじめとするヘルスケア事業やバイオ燃料開発・製造などのエネルギー・環境事業に取り組んできた。今回開発を目指す多糖系バイオプラスチックは、5Fの中では食品に次いで付加価値の高い領域であるFiber(繊維)に相当し、ユーグレナのさらなる活用を進めるもの。