サステナビリティやシェアリングといった価値観が生活者の中で支持される昨今、企業が提供するプロダクトやサービス、さらにはコミュニケーション活動において、社会的課題に対する具体的なビジョン等を盛り込むことが非常に重要視されている。また、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先を選別するESG投資が注目されているという。
2020年3月には、グローバル最大級の年金基金であるGPIF(日)、CalSTRS(米)、USS(英)の3社が“Our Partnership for Sustainable Capital Markets”という表題の共同声明を発表しており、世界的なESG投資の潮流がさらに加速し、投資対象の選定において、企業のESGへの取り組みが一層重要となる可能性が見込まれている。また、国連の責任投資原則(PRI)に署名している投資家の運用資産総額は2019年に80兆ドルとなり、2020年には90兆ドルに達するとも言われている。そのため、企業の経営においてESGの観点を積極的に取り込む必要性と、それに伴うメリットが増加してきているのだとしている。
一方で、日本の機関投資家によるESG投資は北米・欧州に比べると7分の1程度にとどまっており、今後は日本でも投資規模拡大が期待されている。
ベクトルは、ESG投資分野において先進的な研究と具体的活動を展開する九州大学の馬奈木俊介教授と提携し、ESG投資分野における具体的サービスを共同で開発する産学連携プロジェクトを開始した。
【サービス概要】
- 機関投資家やESG評価機関に対して、ワンストップでESGデータの検索や分析が可能となるサービスの提供。
- 日本企業に対して、多様なESGリサーチ及び格付機関対応の効率化やESGスコア・格付けの向上を目的とした各種コンサルティングサービスと施策案の提供。
【馬奈木俊介教授 プロフィール】
九州大学大学院工学研究院 都市システム工学講座 教授、九州大学都市研究センター長・主幹教授
東北大学准教授等を経て、現職。IPCC代表執筆者、IPBES総括代表執筆者、経済産業研究所ファカルティフェロー、クィーンズランド工科大学客員教授、2018世界環境資源経済学会共同議長を兼任。2017年に独ベルリンで開催された環境会合で「富の計測プロジェクト」を代表し『国連・新国富報告書 2018』を発表。
近年では国連プロジェクトを主導し気候変動や人的資本の分析、SDGsの施策を進めて、豊かな社会づくりを実現するための新しい指標をつくる研究を実施。