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デジタル技術の活用による行動変容

行動変容に不可欠なインセンティブ設計──国内外の事例にみる、人を動かす報酬設定とは

第2回

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 今、デジタルを活用した「行動変容」が注目されています。様々なツールが出現し、ビジネスへの応用も本格的に始まっています。前回は、新型コロナウイルスを例に挙げ、行動変容の大きな枠組みについて解説しました。今回は、行動変容に欠かせない、人を動かすためのインセンティブ設計について紹介していきます。

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行動変容を促す“インセンティブ設計”とは?

 「“時間制限付きのセール”と聞くと、今買わなければという気持ちが強まる」「次こそ欲しいアイテムが手に入るかもしれないと思うと、ゲームを止められない」といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。前者のタイムセールは、一定期間だけ価格が安いという希少性や、いい機会を見逃すことへの恐怖心を利用した販売戦略です。後者のゲームがやめられない現象の裏には、これまでに投資した時間や労力が無駄になることを受け入れられず、損をする可能性があっても手を引く判断ができないという人間の認知バイアスの応用があります。

 損得に対する感情を利用して、人の行動を特定の方向に導くこうした工夫を、「インセンティブ設計」といいます。これらはより効果的にものを売るためのマーケティング戦略として、またゲームやギャンブルといった領域でより多くお金を落としてもらうための工夫として、これまで急速に発展してきました。

 インセンティブというと、お金やポイントといった、換金的なものが真っ先に思い浮かびます。しかし、デジタル技術の発展とともに取り得る打ち手の幅が広がり、非換金的なものも増えてきました。たとえば、おしゃれなカフェで“映える”写真を撮る行為は、Instagramなどの「いいね」で得る他者からの承認がインセンティブといえます。アプリでの移動距離・歩数のグラフ化を通じた運動継続では、成果の可視化による自己達成感が一つの鍵になっています。オンラインゲームなどの「ガチャ」では、当たるか当たらないかわからないギャンブル性を楽しむ射幸心そのものが、課金する動機になっています。このように、お金にならなくても、人を特定の行動に駆り立てるインセンティブのつくり方は数多くあります。また、報酬を「与える」行為であるリワードだけでなく、逆にそれらを「奪う」ペナルティもインセンティブとなります(図1)。

図1 行動変容インセンティブの種類とその与え方著者の藤井・一宮作成

 行動変容を促すためには、テーマや行動、期間や対象者に応じて適切なインセンティブを設定する必要があります。次のページからは、効果的なインセンティブの設計について事例を交えながら解説していきます。

次のページ
行動変容の期間・ターゲットによる報酬設定の違い

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この記事の著者

藤井 篤之(フジイ シゲユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

一宮 恵(イチミヤ メグミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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