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商社マンからビジネスデザイナーへ。三井物産グループ新事業開発組織Moonで気づく“三方良し”の普遍性

登壇者:Moon Creative Lab Inc. Program Designer 和田 岳(わだ がく)氏

 博報堂 ミライの事業室の岩嵜博論氏とTakramのビジネスデザイナー佐々木康裕氏が、ビジネスデザインの第一線で活躍するプロフェッショナルをゲストに迎え、鼎談形式でビジネスデザインの本質に迫るイベント「Business Design Talk」。第6回となる今回は2020年9月12日、三井物産グループの45,000人を超える全世界の組織や社員のアイデアから新しいビジネスを創造する「Moon Creative Lab」のProgram Designer和田岳氏をゲストに迎え、開催された。一般論として、“商社マン”に対して抱かれるイメージはデザインやクリエイティブとは少し距離があるものではないか。商社の王道のキャリアを歩んできた和田氏はいかにしてトランジションを果たしたのだろうか。

[公開日]

[講演者] 和田 岳 [取材・構成] 鈴木 陸夫 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ビジネスデザイン 事業開発

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登壇者プロフィール:Moon Creative Lab Inc. Program Designer 和田 岳(わだ がく)氏

慶應義塾大学卒業後、総合商社である三井物産に入社し、鉄鋼製品の貿易業に従事。ドバイ駐在を含めて、中東を対象マーケットとしたマーケティング戦略立案と実行に従事。世界中からさまざまな製品を供給し、安定的なサプライチェーンの構築に貢献。
三井物産の長期業態ビジョン2030のドライバーであるMoon Creative Labの設立に伴い、Program DesignerとしてJoinし、Moonのインキュベーションプログラムの設計、社内起業家の実質的なCo-Founderの役割を担いながらビジネスデザインのサポートを行っている。 ロンドン生まれ、米国、ドバイ、東京に在住経験あり。バスケ、スニーカー、90年代Hip Hop中毒で、最近ではDIYやキャンピングにもハマっている。

Moon Creative LabのProgram Designerとは

 和田氏は2008年に三井物産に入社。以後約10年にわたって“商社マン”としてのキャリアを歩んだのち、2018年に設立された同社の100%子会社「Moon Creative Lab」へと転籍。現在はProgram Designerとして、ビジネス、デザイン、テクノロジーの橋渡しをし、世界中のグループ会社社員から寄せられるアイデアを事業へと昇華させる、新しいロールを担っている。

 Moon Creative Lab(以下、Moon)は、三井物産グループ45,000人を超える全世界の組織や社員によるアイデアから新しいビジネスの創造に挑戦する、同社の100%子会社だ。本社を置くのはシリコンバレーのパロアルト。オフィスには専門も国籍も人種もさまざまな社内外のクリエイティブ人材が多く出入りし、いたるところで日々、自由なアイデア交換が行われているのだと言う。紹介された組織カルチャーや働き方は、商社のそれというより、流行の最先端を行くデザインファームのよう。和田氏はMoonの創業時からのメンバーであり、現在はProgram Designerというロールを担っている。

 各プロジェクトは、三井物産グループの全世界の組織や社員がアイデアを持ち込むところから始まる。そこに、ビジネスの専門家であるプロダクトマネジャー、デザインの専門家である各種デザイナー、テクノロジーの専門家である各種エンジニアが、周りを囲うようにして加わり、コアとなるチームを組成する。

Moon Creative Lab© 2020 Moon Creative Lab Inc. All Rights Reserved.

 アイデアオーナーは通常、既存事業などで別の仕事に従事しており、アントレプレナーシップを意識的に業務に活かすことに慣れているとは限らない。そこで、アイデアオーナーに伴走し、さまざまな形でアイデアを昇華させ、新しいビジネス成功の支援をする。それが和田氏の務めるProgram Designerだ。デザインやテクノロジーの専門家との間を取り持ち、有機的につなぐのも彼らの仕事。そのため、ビジネスは当然として、デザインやテクノロジーにも通じていなければ、役割を全うできないポジションと言える。

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