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EY Japan、『EYメガトレンドレポート』最新号の日本語版を公開

 EY Japanは、世界の新時代に変革をもたらす「メガトレンド」を考察した最新号レポート『未来を創りますか?それとも未来を待ちますか?』の日本語版を公開した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] 企業戦略 メガトレンド 行動科学的エコノミー ワークライフ・インテグレーション シンバイオ

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 本レポートでは、EYのグローバル・シンクタンクであるEYQが、今後来る「新時代」とその先に向けて、企業がどのようなアプローチで戦略策定に取り組み、長期的な価値を創造していくべきかを分析・考察。また、EY Japanの専門家が、「脱炭素化」・「ワークライフ・インテグレーション」・「行動科学的エコノミー」等8つのテーマについて、日本の社会・企業の状況を踏まえた詳細な背景の解説を追加している。

 「EYメガトレンドレポート」は、2016年からEYQが発行しており、3回目となる。今回は新たに、2018年から今年のコロナ禍も踏まえた現状に着目した一連の調査・分析を基に、今後の世界を変えるディスラプションは、「プライマリーフォース(メガトレンドを方向づける4つの要素)」が波のように広がりながら交じり合うことによって、「メガトレンド」へ波及していくと考えている。これらの「メガトレンド」は企業にとって、将来的に好機にも脅威にもなり得るが、トレンドを具体的に捉え、未来像から逆算して今取り組むべきことを顕在化させるアプローチが企業戦略の策定に有効であると考えている、としている。

 今回のレポートでの着目点の概要は、以下の通り。

プライマリーフォース(メガトレンドを方向づける4つの要素)に生じている最新の波

人間の能力を拡張させるテクノロジーの発展:AI、自動運転、ロボット、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)など、人間の能力を拡張させ、自律的に発展していく新興テクノロジー。

 コロナ禍を踏まえデジタルトランスフォーメーション(DX)への移行が進む中で、これらは今まで以上に重きが置かれることになるでしょう。

グローバル化を超えて(地域化):ポピュリズムやナショナリズムの台頭とそれによる保護貿易主義が、国境を越えた資本移動や貿易、グローバルサプライチェーンに目に見える変化をもたらしている。今後は、地域化(リージョナライゼーション)がグローバル化の将来を左右することになるでしょう。

Z世代の台頭:1996年から2010年生まれの「Z世代」と呼ばれる18億人の人々は、世界人口の24%を占める。史上最大規模でありながら多様なバックグラウンドを持つ人口集団の彼らが、これからの10年間における、社会の成長や富の蓄積、消費といった社会の在り方の方向性を定めることになるでしょう。

指数関数的な気候変動による影響:世界は指数関数的な気候変動による新たな段階に突入している。気候変動による悪化を避けるためには、今後10年で世界の温室効果ガスの排出を毎年約8%削減し、気温上昇を摂氏1.5度に抑えることが求められている。経済の脱炭素化は、これまでで最大の経済変革の1つになるでしょう。

8つの「メガトレンド」

脱炭素化:ビジネスモデルを脱炭素化することで長期的な企業価値を高め、さらに気候変動でリーダーシップを発揮するための新たなソリューションが開発されつつある。あらゆる業界でビジネスモデルとバリューチェーン全体に脱炭素化が求められる中、企業は、コスト競争力のある再生可能エネルギー、すべての電化、効率を最適化するデジタル技術、分散型エネルギー生産へ取り組むことが不可欠となるでしょう。

技術的冷戦:ポピュリズム、貿易摩擦、エコノミック・ステイトクラフト、企業ブラックリスト、テクノロジー拡大競争、サイバー攻撃、情報戦争等、特に多国籍企業にとってはリスクに満ちた状況が続くと思われる。サイバー戦争は、偽情報を使った完全に新たな領域へと拡大しているのです。

行動科学的エコノミー:企業や政府による消費者や国民に行動変容を促す行動科学的エコノミー(行動データに新たな価値を見いだす経済活動)が可能となった一方で、そのようなデータ活用に対する信頼が薄れてきている。行動科学を基にした「行動科学トランスフォーメーション(BX)」が今後、世界のビジネスに変革を引き起こすと推測される。

操作されたメディア:偽の情報を容易に短時間で作成・拡散する技術が進化している。捏造・偽情報がSNSに展開されると瞬く間に拡散し、世論と大衆行動に広く深い影響を及ぼす。これまでは選挙運動や政治家、著名人が操作されたメディアの主なターゲットとなってきたが、ブランドの評判、顧客ロイヤルティ、株価動向などへの影響を含め、企業にとってもリスクは高まりつつある。

未来の思考:AIやロボット、自動運転車などの「人間拡張」テクノロジーの発展は、今後より広範囲な影響を及ぼすと考えられる。個人だけでなく企業、政府、消費者、従業員、また国民との関わり方に大きな変化が起こるでしょう。

ワークライフ・インテグレーション:社会環境の変化で働く人々の価値観が変容したことに加えて、「仕事、余暇、学習」の境界線が曖昧になる中、これからはその3つの領域を柔軟に調整・統合する新たな働き方(「ポートフォリオ式アプローチ」)を採用する企業が増えていくでしょう。

マイクロバイオーム(微生物)の活用:人間の腸内に住むマイクロバイオーム(微生物)は、体と心の健康に非常に大きな役割を果たす。メタゲノム解析やメタボローム解析といった強力なツールが登場したことにより、マイクロバイオームの力を活用するだけでなく、その機能を増やすことが可能となっている。

シンバイオ(合成生物学):「シンバイオ」は複数の研究分野の知見を統合した学際的科学で、生命機能をデザインする分野へも進化し、「コンピューターに相当する今世紀のイノベーション」と呼ばれている。シンバイオは今後、病気の治療法、製造、食物の取り方を革命的に変化させていくことでしょう。

 EY Japan アカウンツリーダーでありLTV(Long-term Value)推進室リーダーの瀧澤徳也氏は、次のように述べている。

「EYは、“持続可能性を持った長期的価値(Long-term Value:LTV)の創造が、企業の将来的価値(Future Value)につながる”という考えに基づき、クライアント企業をさまざまな形で支援しています。今年7月には“LTV推進室”を設置し、環境・人権問題への対応、人材育成、男女平等など、バランスシートには反映されない企業の非財務活動の定量化・KPI化、ソーシャルインパクトの測定、サステナビリティ・ESG・SDGsの経営への統合などで、総合的にクライアントを支援する体制を整備しました。先行きが見通せない時代だからこそ、本レポートで説明しているメガトレンドを読み解くことは、企業にとって、リスクに対応しながら長期的な成長と発展に向けた戦略立案の際の一助となると考えています」