2020年世界を震撼させたCOVID-19は、日本の自動車関連業界にとっても大きな危機をもたらした。この影響から脱する時期は未だ見通せない状況ではあるものの、COVID-19の影には構造的な業界変化が存在しており、中長期的な成長軌道を目指すアジェンダへとタイミングよくシフトすることが求められているという。
提言では、1. 市場の新たな成熟ステージへの環境変化、2. "タテ"から"ヨコ"へのクルマづくり変化、3. 1と2に応じたグローバル・プレーヤーの戦い方進化というテーマのもと、日系サプライヤーが取り組むべき論点と解決方法について提言している。
提言の筆頭著者であるA.T. カーニー シニア パートナー 阿部 暢仁氏は以下のようにコメントしている。
「自動車業界では、昨今 数多くのトレンドが、”CASE” や “MaaS” など数多くのトレンドが頭文字的に誤解も含めて拡散してきました。一方で、クルマづくりを含めた 変化が進展していることもまた事実であり、自動車メーカーのみならず、これまでサプライヤーと言われてきた各社の重要性は増していくとみられます。日本経済を支える自動車産業の競争力を維持・強化するためには、こうした変化を冷静に見極め、単なるベストプラクティスの導入ではなく、各社が状況に応じた戦略を検討・実行する必要があり、COVID-19をそうした対応を加速させる一つの ”チャンス” とすることが重要です」