上場ベンチャーの成長を阻む構造的な問題
1つ目は、上場準備中に成長投資を絞ってしまうこと。上場に向けて、社内の体制を整え、審査を行っていく過程にある企業は、新規事業への先行投資や大規模なマーケティング投資、M&Aといったアクションを取りづらくなります。長期的に見れば、成長に向けた必要な投資であっても、短期的には利益を押し下げる要因となってしまい、利益ベースで算出されることの多い「上場時の時価総額」を下げる要因となってしまったり、M&Aによる子会社の増加による審査期間の延長に繋がったりしかねないからです。