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上場ベンチャーの成長戦略

ブイキューブ間下CEOに聞く、V字回復の舞台裏──波に乗り遅れない条件、やりたいか必要かの問いとは?

第3回ゲスト:株式会社ブイキューブ 代表取締役社長 Founder & CEO 間下 直晃氏

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 本連載では、グロース・キャピタル株式会社代表取締役社長の嶺井 政人氏がナビゲーターとなり、IPOから数年後の上場ベンチャーCEOをゲストに招いて、日本からGAFAを生み出すために必要な「上場後」の成長戦略を紐解いていく。前回のラクスル株式会社 代表取締役社長CEOの松本 恭攝(まつもと やすかね)氏につづく第3回ゲストは、株式会社ブイキューブ代表取締役社長CEOの間下 直晃氏。コロナ禍で働き方が一気に変わるはるか以前からテレワークを推進する様々なサービスを展開してきた同社は、2017年頃の停滞期を経て2020年に劇的なV字回復を果たす。その裏側にあった抜本的な構造改革と世界を見据えた成長戦略とは。(本取材はリモートにて実施)

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上場がもたらす世界での「信用力」と上場による「課題」

嶺井 政人氏(グロース・キャピタル株式会社 代表取締役社長、以下敬称略):昨日(2021年5月31日)の、米Xyvid社のM&A発表[1]おめでとうございます。いい会社を仲間に迎えられましたね。

間下直晃氏(株式会社ブイキューブ 代表取締役社長 Founder & CEO、以下敬称略):そう思います。今までもM&Aは行ってきましたが、そこから学ぶところは多かったので。今回はそれが効いていると感じます。

嶺井:その辺のことも後ほどぜひお聞きしたいのですが、まずは上場前と上場後で、成長に違いを感じた点に関して聞かせてください。

間下:我々は2013年12月にマザーズに上場、その後、2015年7月に一部へ市場変更していますが、当時の状況で考えると、資金調達のオプションが圧倒的に増えました。現在では、上場前でも資金調達のオプションが多いケースもあるので一概には言えませんが、当時は未上場での資金調達の手段が少なく、規模も小さかったので。また、弊社のようにエンタープライズ向けビジネスかつ領域がグローバルだと、上場していること自体の持つ意味がやはり大きいと思います。

嶺井:信頼という意味でしょうか?

間下:信頼とか信用力。ブイキューブに限らず、日本のスタートアップは国外ではまず知られていませんから。東京証券取引所で一部上場しているかいないかということが、信用力の差として現れますよね。

嶺井:御社のビジネスはエンタープライズ向けのインフラビジネスなので、そうした信用は特に大事ですよね。では、成長を継続していく上で、上場しているがゆえの壁を感じたことはありますか。

間下:上場していると、期待される成長に追いついているかどうかが分かりやすく表に出る分、やりにくいこともあります。弊社の場合は上場した2013年頃、メインビジネスで投資家から求められる成長の期待値、対象としているマーケットの成長率など複数の要因から、その期待に応えきれていない点もありました。マーケット成長率は年10%いくかいかないかでした。上場するとどうしても成長を求められるので、そのギャップには結構苦労しました。

 もうひとつは、大胆な新規事業が実施しづらくなること。例外的に、上場前から継続して赤字を出し続けてもその先の絵を描き、投資家とのコミュニケーションを行うことで許容される会社もありますが。上場直後で足下数億円の利益しかでていない中で、いきなり10億、20億円を投資して、PL上大きなマイナスが出る可能性があるとなれば、多くの場合「まあ待て」という話になる。新しいマーケットにチャレンジするのにブレーキがかかるという課題がやはりあると思います。


[1]株式会社ブイキューブ「ブイキューブ、イベントDX企業のXyvid社を買収、子会社化~急速に拡大する国内外でのイベントDX事業の強化とグローバル展開を加速~」(プレスリリース 2021.05.31)

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M&Aで急拡大、その後に抱えた「課題」と「学び」

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この記事の著者

嶺井 政人(ミネイ マサト)

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