この検証で両社は、デンソーが自動運転などの研究開発を行う拠点「Global R&D Tokyo, Haneda」内のテスト路を5G通信環境で整備し、高精細車載カメラや路側センサーなどを用いた自動運転車両の走行支援に対する技術検証を共同で行う。
検証では、5Gの高速・大容量通信の特徴を活用し、高精細車載カメラや路側センサーなどから取得する高精細映像や周辺情報を用いて、車両とその周辺状況をより効率良く把握するシステム検証を実施。
この検証では、5Gにエッジコンピューティングの環境を構築し低遅延を実現する「AWS Wavelength」などを活用。刻々と変化する道路状況をリアルタイムで自動運転車両に配信する仕組みの構築や、遠隔からの無人車両の走行支援の有効性について技術検証する。
将来的には、端末から他方の端末までのエンド・ツー・エンド(E2E)通信において、仮想的にネットワークを分割することで用途やニーズに合わせた通信環境を優先的に提供する、ネットワークスライシング技術を用いた検証を予定している。この技術は、自動運転など多種多様なデータを優先度に応じて通信する必要がある分野において活用が期待されており、今後さまざまなユースケースへの適用を共同で検討していくという。
両社はこの実証を通じ、デンソーが持つ車載通信技術開発のノウハウと、KDDIが持つネットワーク技術の知見を組み合わせ、自動運転分野における5G活用を促進し、安心・安全なモビリティ社会の実現や、新たな社会価値創造を目指すとしている。