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事業開発のためのルールメイキング

イノベーションや新規事業に必要なルールメイキング戦略──“法の遅れ”と“グレーゾーン”へ向き合うには

第1回

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 ルールと聞くと、自分たちを拘束するもの、という硬くて窮屈なイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。いま企業にとって必要なのは、ルールに対して受け身な態度で臨むのではなく、積極的にルールメイキングに関わるように思考を変えることです。現場の事業開発担当者がルールメイキングの発想を取り入れて、自社の成長を加速させるビジネス戦略を考えるにはどうすればよいのでしょうか。本連載では『ルールメイキングの戦略と実務』(商事法務)を執筆した、法律事務所ZeLo・外国法共同事業の弁護士が、企業の新規ビジネス立案を支援した経験をもとに解説します。まずは、なぜ企業がルールメイキングに関わる必要があるのかをお伝えします。

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そもそも「ルールメイキング」とは何か

 ルールメイキングと一口に言っても、確たる定義があるわけではなく、人や場面によってさまざまな意味合いを持つ言葉です。まずは、そもそもルールメイキングとは何だろうかという前提について、「ルール」と「メイキング」に分けて考えてみたいと思います。

 ルールメイキングの対象となる「ルール」は、法律以外にも、以下のように広い範囲にわたります[1]

ルールの種類画像クリックで拡大

 ルールの「メイキング」としては、次のような行為が挙げられます。以下のように、ルールを創るという積極的な関わりだけでなく、消極的な関わりをすることもあります[1]

  • 積極的にルールを創り上げる
  • 既存のルールの解釈を明確化する
  • ルールの変更が検討されている際に阻止や軌道修正を試みる

欧米や中国で活発化するルールメイキング

 欧米では、政治家や官僚に対して、政策や立法に関する働きかけを行う「ロビイスト」が一職業として浸透しています。民間企業はロビイストなどと協力して、特定の利害や信条に基づくロビイング(ロビー活動)を活発に行っています。

 報道によると、米国の大手IT企業であるGAFA4社が、2020年に計上したロビイング活動費は、合計5390万ドルにものぼっています[2]。ロビイング活動費を増やす動きは、米国だけには留まりません。中国のByteDanceは、トランプ前大統領が動画投稿アプリ「TikTok」を市場から締め出す政策をとったことも背景にあり、前年の10倍にあたる261万ドルの費用を投じ、ロビイストを17人から47人へと一気に増やすなど、ロビイング活動を強化しています[2]

 すべてのロビイングがルールメイキングを目的とするものではありませんが、欧米ではその重要性が強く認識されているといえるでしょう。


[1]官澤康平、南知果、徐東輝、松田大輝編著『ルールメイキングの戦略と実務』第1章第1節(商事法務、2021年3月刊行)

[2]日本経済新聞電子版「フェイスブック、ロビー費首位に IT大手、米政府圧力に対応 中国バイトダンスは10倍」(2021年1月31日公開)

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急速に発展する技術で広がるグレーゾーン

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この記事の著者

南 知果(ミナミ チカ)

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