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事業開発のためのルールメイキング

ルールメイキング戦略を実践すべき3つの場面──法律実務家と協働する事業開発とは

第2回

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 前回は、ルールメイキングに関わる必要性や意義をお伝えしました。しかし、自社でルールメイキングを行う場合に、具体的にどのような動き方をすればいいのか、まだイメージが湧いていないのではないでしょうか。そこで今回は、ルールメイキングの観点から検討が必要となる場面を類型化して説明します。ルールメイキングを行う際に取り得る選択肢をいくつか説明した上で、自社の法務部門や外部弁護士など、日常的に「ルール」の解釈・運用を意識して業務に取り組んでいる立場の方との関わり方について、『ルールメイキングの戦略と実務』(商事法務)を執筆した、法律事務所ZeLo・外国法共同事業の弁護士がお伝えしたいと思います。

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「ルールメイキング」か「事業モデルの変更」か

 ルールメイキングをするかどうかは、大きく分けると、以下の3つの場面に分けて検討することが有益であるといえます。

  1. 事業の障害となる規制があるとき
  2. 事業に対する規制がないとき・不明なとき
  3. 既存の事業に関して規制が開始・強化されようとするとき

 上記の3つの場面に分けて、「自社の状況はどの場面にあてはまるのか?」を意識すれば、その場面で行われたルールメイキングの過去事例を分析して活かすことができます。なお、上記の1〜3のうち、いずれの場面にもあたらないようなケースや、複数の場面に該当するようなケースもあり得ます。

 ちなみに、ルールメイキングを検討すべき場面に直面したときに、「ルールメイキングを行わず、事業モデル自体を変えてルールに適合させる」という判断もあり得ます。

 スマートフォンのアプリを例に考えてみます。

 課金をすると、アプリ内でのみ使えるコイン(アプリ内通貨)が手に入るアプリがあります。アプリ内通貨は、一般的に、資金決済に関する法律(資金決済法)上の前払式支払手段に該当します。資金決済法では、倒産やサービスの停止に備えて、利用者を保護する目的で、アプリ内通貨の発行事業者があらかじめ発行保証金を確保するなど、事業者にとって負担の大きな義務が定められています。例外として、アプリ内通貨の利用期限が6か月未満であれば、資金決済法の規制の適用を受けないことが認められています。

 アプリを運営する事業者の立場としては、より多くの利用者を獲得する観点から、アプリ内通貨が無期限で利用できる場合でも資金決済法の規制の適用を受けない形に、ルールを変えるよう働きかけることも考えられるかもしれません。しかし、ルールを変更できる可能性、変更を求める費用・時間などのコストを踏まえると、利用者にとっての利便性は落ちるものの、「アプリ内通貨の利用期限を180日より短くする」というように事業モデルを変更するほうが、ルールメイキングを行うよりも経済合理性はあるでしょう。

 このように、コストや事業変更の容易性など様々な要素を踏まえて、ルールメイキングを行うか、事業モデルの変更を行うかの判断がなされます。

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事業の障害となる「規制があるとき」のルールメイキング

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この記事の著者

官澤 康平(カンザワ コウヘイ)

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