国土交通省はユニバーサル社会の実現に向け、プローブ情報(車いす利用者が持っているスマートフォンのGPS情報等)や住民投稿情報を活用し、バリアフリー情報を整備・オープンデータ化することで、車いす利用者等の移動に困難な者(以下、移動困難者)の移動を支援する、ICTを活用した歩行者移動支援(バリアフリー・ナビプロジェクト)を推進している。NTTデータ経営研究所では、国土交通省から委託を受け、持続可能な歩行者移動支援サービス構築に向けた検討を進めている。
本年度のプロジェクトでは、自治体・民間企業が保有するバリアフリー情報のオープンデータ化を進め、バリアフリー情報のオープンデータ化から活用に係る課題を把握。解決策を検討することでバリアフリー情報のオープンデータ化を促進し、移動困難者が自由に移動できる環境構築を目指している。
神奈川県は、市町村、企業、大学、NPO、県民等のすべてのステークホルダーと一体となってSDGsを推進するため、小田急電鉄、セブン&アイ・ホールディングス、京浜急行電鉄、横浜銀行などの企業と「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」(以下、SDGs推進協定)を締結している。今回、国土交通省および当社の推進するバリアフリー情報をオープンデータ化し、移動困難者を支援する取り組みが、SDGsの17のゴールのうち、「3.すべての人に健康と福祉を」「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」などの課題の実現に寄与すると認められたため、神奈川県および同県とSDGs推進協定を締結する民間企業が中心となって、国土交通省および当社と連携してバリアフリー情報のオープンデータ化に取り組むこととなった。
神奈川県および同県とSDGs推進協定を締結している小田急電鉄、セブン&アイ・ホールディングス、京浜急行電鉄、横浜銀行に加え、東日本銀行、そごう・西武、セブン&アイ・フードシステムズが持つ駅や店舗等施設の多機能トイレの情報やエレベーターの情報を整備し、歩行者移動支援サービスに関するデータサイトにてオープンデータとして公開した。なお、オープンデータ化されたバリアフリー情報は、今後バリアフリー情報を提供するサイト・アプリ等に取り込まれ、活用される予定だという。