R4DとELSIセンターは、国内では先駆的なELSI(倫理的・法的・社会的課題:Ethical, Legal and Social Issues)に関する包括的な産学連携の活動として、以下の2つの取り組みを公表した。
1.研究開発倫理指針の公表
時代に即して研究開発の倫理審査プロセスを見直し、社会の要請に応えていくことは不可欠であるという認識のもと、2020年よりELSIに関する共同研究に着手。2020年9月から2021年3月までの半年間、フィージビリティスタディ(少額・短期間の共同研究)を実施し、研究開発活動を対象とした倫理指針の改定と倫理審査委員や研究者を対象とした研修の開発・実施を行ってきた。
今回公開したR4Dの研究開発倫理指針は、研究開発活動全般を対象とし、責任ある研究・イノベーション(RRI)に向けて、メルカリのようなIT企業における研究開発活動の倫理性や社会性を高めるための基本的な考え方を規定している。R4DとELSIセンターは、研究開発倫理指針を外部に公開・提示することで、責任ある研究・イノベーション活動に関する議論のきっかけをつくり、人文科学分野の産学連携共同研究のモデルケースを構築していくとしている。
2.本格的な共同研究の開始
R4DとELSIセンターは2021年4月より、企業の研究開発活動全般を対象とした包括的なELSIの共同研究を本格的に開始した。この共同研究では、研究開発倫理指針にまとめた理念や考え方を、日々の研究開発活動に実装するための実践方法を多角的に開発する。なお、これらの実践的研究活動を通じて、研究開発倫理指針を繰り返し見直していく。
加えて、R4Dはこの共同研究を通じ、人文科学の知見やノウハウの獲得を目指すという。R4DとELSIセンターは、アカデミアの人文系研究者とともに企業活動や研究開発活動の倫理性や社会性を高めるための実践的な議論を深めていくことで、アカデミアの人材育成と、業界・社会全体のELSIに関する理解浸透に貢献していくとしている。