「プロトタイピング戦略」による再現可能性の向上
プロトタイピングが必須スキルである理由2:プロトタイピング研究の進展
プロトタイピングが新規事業の必須スキルになってきている理由の2点目は、プロトタイピング研究の進展です。プロトタイピングは、航空機などのハードウェアを対象にしたエンジニアリングの分野から研究[6]が始まりました。その後、ソフトウェアやデザイン分野にも応用されて現在に至ります。そして近年、プロトタイピングのデザイン実務者への適用可能性から、学術的関心が高まり、研究が進んでいます。
プロトタイピングの生産性を最大限に高めるには、プロトタイピングをどのように行うかを、慎重に検討する必要があります。一方で、プロトタイピングは多様な対象分野、実施方法が存在しており、どのようなプロトタイピングを行えば効果的か、明確な指針がありませんでした。つまり、重要だけれども、どのように実施するかがわかっていないのです。その課題に対して、オレゴン州立大学のBradley Camburn博士はどのようにプロトタイピングを実施するためのガイドラインとして、プロトタイピング戦略を構造化しました[7]。