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民主化する「プロトタイピング」の新潮流

ユーザー課題の発見後に残る“価値の未検証問題”──新規事業担当者の武器となるプロトタイピングの実践

ゲスト:株式会社bridge 大長伸行氏、株式会社bridge/S&D Prototyping株式会社三冨敬太氏

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 Biz/Zine連載『民主化する「プロトタイピング」』にオリジナルコンテンツを加え、書籍『失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書』が9/20に発売される。また、同時期にBiz/Zine Academy『新規事業開発のための「プロトタイピング」実践講座【オンライン】』も開催。本インタビューでは、講師を務める株式会社bridge 代表取締役 プロジェクトデザイナーの大長伸行氏と著者の株式会社bridge/S&D Prototyping株式会社 代表取締役 ・三冨敬太氏へ、大企業の新規事業やDX推進に伴走する過程で感じた、日本企業の新規事業の現在地と課題、その課題の一つのソリューションとなる「プロトタイピング」に関して、お聞きした。

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ユーザー課題発見後の「価値のプロトタイピング」

――bridgeでは大企業の新規事業開発やDX推進を支援されています。その中で、多くの大企業の新規事業開発において課題となっていること、責任者の関心事などはございますか。

大長伸行(以下、大長):人材育成や事業開発の伴走、組織体制の構築が主な支援内容です。新規事業の初期段階である「ユーザー課題の発見」やその手法に関して、多くの企業で知識は浸透し、かつ何度かのチャレンジを繰り返されています。そこで課題となるのが、どのように再現性を高く、経営の中で新規事業開発に取り組むのか。その点に関心が高まっているように思います。また新規事業の取り組みに成功をもたらした方が既存事業の変革、具体的にはDX推進のリーダーになることが多くなっています。

――それらのリーダーが課題とされていることは何でしょうか。

大長:さきほども少し触れましたが、ユーザー課題の発見に関しては多くの企業でどのような手法を活用して取り組むのかなどは、知見が溜まってきています。しかし、その先に壁があります。それは「発見したユーザー課題」と「自社のソリューション」がフィットするのか、その検証に課題があります。ユーザー課題を解決することを目的に自社のソリューションを開発するはずですが、多くの場合、「確かに課題はその通りです。でもあなたのソリューションは要りません」というユーザー側の回答が多いのです。

 例えば、新規事業の初期段階で予算が500万円あったとします。さきほどのようなソリューションフィットの検証に500万円のうち、450万円を使用してしまうケースが想像以上に多いのです。この段階では、もっと安く検証する方法があるのですが一足飛びに予算を投下してしまいます。

――そこで必要になるのが「プロトタイピング」というわけですね。

三冨敬太(以下、三冨):書籍では新規事業に特化した「プロトタイピング」を解説しています。その中で「開発プロセス」と「プロトタイピングの分類」を整理した図がありますので、それを用いて説明します。

 プロトタイピングは「価値」「実現可能性」「ルック&フィール」「インテグレーション」の4つに分類できます。

プロトタイピングの分類
出典:三冨敬太『失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書』(翔泳社・刊、2022/9/20)
クリックすると拡大します

 「価値のプロトタイピング」は、現段階のアイデアがユーザーにとって価値があるかを確認したり、気づいていなかった新しい価値を生み出したりするプロトタイピングです。「実現可能性のプロトタイピング」ではアイデアが本当につくれるかなどを検証し、「ルック&フィールのプロトタイピング」では、見た目や触ってみた感覚に関する検証を行います。書籍では新規事業開発における「価値のプロトタイピング」を中心に解説しています。

プロトタイピングの分類と新規事業開発プロセス
出典:三冨敬太『失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書』(翔泳社・刊、2022/9/20)
クリックすると拡大します

 上記のように、開発プロセスの前半で必要になるのが、「価値を検証するプロトタイピング」です。さきほど大長が説明した“検証をせずに大きな予算が投下されてしまう”という事象は、本来、「価値を検証するプロトタイピング」の段階なのに、「実現可能性」や「ルック&フィール」のプロトタイピングへ大きな予算を投下してしまっているということなのです。

三冨敬太
株式会社bridge/S&D Prototyping株式会社 三冨敬太氏

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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