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FiNC Technologies南野氏に聞く、ビジョン・ミッション・バリューを軸とした事業展開

第18回 ゲスト:FiNC Technologies 南野充則氏

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 いま企業のあいだでは、社会における“存在意義=Purpose(パーパス)”を再定義して「何のために存在しているのか」、従業員一人ひとりは「何のために働くのか」を明確にする動きが活発になっています。これは、技術革新や時代の変化によって消費者ニーズや価値観が変化したことや、企業都合のビジネスではなくサステナブルな経営が求められるようになった社会の変化も影響しています。  企業のビジョンやパーパスの言語化支援を得意とするIdeal Leaders株式会社のメンバーがすでにパーパスを導入している企業の方をゲストに迎え、パーパスのメリットを解き明かしていく本シリーズ。今回のゲストは、株式会社株式会社FiNC Technologies 代表取締役CEOの南野充則氏です。ビジョン・ミッション・バリューを掲げないベンチャー起業が多い中、創業時からしっかりと掲げて事業を展開している理由やメリット、ご自身のミッションと企業のビジョン・ミッションのつながりを南野氏に聞きました。聞き手はIdeal Leaders株式会社COOの後藤照典氏です。

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FiNC Technologiesのビジョン・ミッション・バリュー

後藤照典氏(以下、敬称略):今回のこのシリーズでは、パーパスに基づく経営をされている企業にお話を伺っています。「パーパス」という言葉を使っていますが、これはビジョンやミッションなどを含め、“企業が目指すもの”を広く意味するものとして捉えています。FiNC Technologies(以下、FiNC)さんはビジョン・ミッション・バリューを掲げていらっしゃるので本日はお時間をいただきました。まずは御社の簡単なご紹介からお願いできますでしょうか。

南野充則氏(以下、敬称略):FiNCは2012年創業で今年10年目の企業です。従業員は94名(取材当時)で、「ヘルスケア×テクノロジー」を主軸とし、予防医療の部分に特化したプロダクト・サービスを提供しています。

 弊社のビジョン、実現したい世界は「Design your wellness」で、一人ひとりが自分らしい豊かな生活を描ける世界を目指しています。生活習慣の乱れから病気になってしまうと、自分だけではなく周りにも心配をかけますし、人生の選択肢が狭まり、楽しみも減ってしまいます。病気を予防することが必要で、その支援をしていきたいと思っています。

 病気の予防のためには生活習慣の改善として栄養・運動・休養の乱れを整えることで必要ですが、健康診断の結果を見ても、自分が何をしたらいいかわからないということがあると思います。また、自分が運動をしなければならないとわかっても、ジム入会した人の8割が半年後には通っていないという事実を見てもわかるように、継続が難しいという課題もあります。そこで弊社が果たすべき役割・使命、つまり弊社のミッションは、一人ひとりのデータを用いて行動変容を促し、個々の趣味・嗜好に合った方法で楽しく健康的な生活を提供することとしています。

FiNC Technologiesのビジョン・ミッション・バリュー
FiNC Technologiesのビジョン

後藤:南野さんは東京大学在学中、松尾豊教授の研究室で学ばれていたそうですね。プロダクトは、専門家の知見を学習したAIを活用しているとお聞きしました。

南野:はい。コア事業はAIを活用したFiNCというヘルスケアに特化したアプリです。歩数・体重・食事・運動・睡眠・生理・健康診断等のデータを管理でき、それに合わせたフィットネス動画、健康レシピ、プログラムを配信しています。食事の画像解析で精度の高いカロリー計算が可能です。このアプリに連動した、FiNCオリジナル体組成計の販売もしています。体重測定だけでなく、アプリ連動をするとBMI、体脂肪等11項目がデータ連動して記録されます。非常に人気で、売れる時には月当たり1万台を超え、12万台以上の販売実績があります。

 ビジネスモデルはBtoCとBtoBのものと大きく2つあります。BtoCでは先ほどお伝えしたFiNCアプリを筆頭に、有料課金のFiNC PlusとEコマースのFiNC MALLを展開しています。BtoBでは、健康経営を目指されている企業の従業員の健康サポートを人事部や健康保険組合さんと一緒に取り組むことで、企業のパフォーマンスに貢献していくFiNC for BUSINESSという事業や、ユーザー参加型の広告で、顧客接点構築したソリューションInteractive Communication事業を展開しています。

後藤:このBtoBでの健康サポートが、先日ファイザー株式会社がコロナ禍の社員に導入して実績を上げたというものですね。健康系のアプリやプログラムは、とりあえず導入するものの実際には何も変化を起こせないことも多い印象ですが、ファイザーでは500人規模の実証実験を行い、効果が認められたので、今後は健康保険組合の全組合員に導入する予定だと拝見しました。すばらしいですね。

南野:ありがとうございます。自分の身体の状態をデータ化することで健康状態を理解し、自分の状態に合わせてやるべきことがわかり、テクノロジーを活用してパーソナライズされたプログラムを作って継続を支援することで、人々の健康寿命の延伸、ウェルネスの実現を行っていきたいと考えています。

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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