SiDを活用して誕生した砂漠での持続可能な「セレニティ・ファーム」
SiDを活用してサステナブルな社会を作るために触媒となりうるのはカタログといったマテリアルレベルのものだけではない。たとえばExceptは砂漠に新鮮な食べ物をもたらす「セレニティ・ファーム」を中東で手がけている。
食べ物を生産する時、私たちは大量のCO2を排出し、水を使う。特に(鶏肉や豚肉などの)肉類の生産は野菜などを生産するよりもはるかに水を使い、CO2やその他の温室効果ガスを排出している。ただし、この「肉類よりも野菜の生産の方が環境に負荷をかけない」という発想は、欧米や日本の場合の話である。砂漠地帯では、野菜を生産しにくい。そのため、トマトなどの野菜や果物は大量のエネルギーを使って生産され、生鮮品のために飛行機で運ばれ、そこから地元の店まで運ばれる。現状で販売されている野菜や果物は、時に肉類の生産よりも多くのCO2を排出することで食卓に届けられている。