中堅層に必須の「リーダーシップ」を引き出す1on1コーチング
──本日は、東京建物で実施した1on1コーチングについて、実際にコーチングを受けた東京建物の松本さんと、コーチとして支援されたSTUDIO ZEROの石井さんにお話を伺います。まずは、松本さんの自己紹介をお願いいたします。
松本悠氏(以下、敬称略):私は東京建物のビル事業企画部に所属しています。ビル事業企画部は、当社のビル事業の戦略・企画の立案や、ビルの開発や管理運営の方針策定等を担う部門です。「ビル事業における経営企画部門」と説明するとわかりやすいかと思います。そのなかで私は、ビル事業の個別の企画を推進する企画グループと、再エネの活用やCO2排出削減などを手がける環境対策推進グループの二つのグループを兼務しています。
──続いて、STUDIO ZEROの石井さんの自己紹介をお願いします。
石井伸幸氏(以下、敬称略):私はCXプラットフォーム「KARTE」を中心にさまざまなプロダクトや事業を提供する株式会社プレイドの社内起業組織「STUDIO ZERO」に所属しています。経歴としては、スタートアップで事業責任者を約10年間務めたのち、メガベンチャーで新規事業の立ち上げや部門マネージャー、複数ブランドを運営するスタートアップで人事責任者などを経験しました。現在は、STUDIO ZEROにおいて、大企業を中心に新規事業や新組織の立ち上げを伴走型で支援しています。キャリアを通じて、事業開発、組織開発、変革人材の育成支援などを専門領域として手がけてきました。
──今回、石井さんが東京建物で事業リーダー層向けの1on1コーチングを実施されました。ビジネスコーチングというとエグゼクティブ層向けのイメージが強いですが、事業リーダー層向けの1on1コーチングはどのような目的で行われるのでしょう。
石井:次世代のリーダー候補に向けて、リーダーシップを養成する目的で実施されることが多いです。社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる時代に突入し、多くの企業に新たな事業や領域へのチャレンジが求められるようになりました。その際に新たな試みを任されるのが、次世代のリーダー候補の人材です。経営側としては、その人材に今まで以上にリーダーシップを発揮して、主体的に新たな試みを牽引してほしい。
しかし、大きな企業であればあるほど部門の枠を超えたリーダーシップを発揮する機会が少なく、次世代のリーダー候補にもその経験が十分ではないことが多い。そこで、1on1コーチングを通じて視座を高め、組織の次世代を担うリーダーとしての素養を養ってほしいというのが、経営側からのニーズとして多いです。
ただ、東京建物さんの場合は、別のプロジェクトをSTUDIO ZEROが支援していたのがコーチングを実施するに至るきっかけでした。松本さんは、今まさに東京建物におけるビジネスモデル変革に取り組んでおり、中堅層が牽引する次世代志向のプロジェクトが複数進行しています。そうした状況に1on1コーチングがフィットするのではと考え、こちらから実施をご提案しました。