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LayerX福島代表らが目指す、「完全なデジタル化」から始まる経済活動の多様化と民主化

BRIDGE Tokyo 2022「3代表に聞く、経済デジタル化と民主化の世界」

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LayerXと三井物産が挑むアセットマネジメント変革

平野武士氏(以下敬称略):Web3.0やNFT、メタバースなどが半ばバズワードのように顕在化してきている昨今ですが、お集まりくださった皆さんは2018年頃から、これらに関連する領域で活動してきました。福島さん、松本さんが代表を務めるLayerXと、上野さんが代表を務める三井物産デジタル・アセットマネジメント(以下、MDM)は、ブロックチェーンを活用した次世代アセットマネジメント事業での協業も行っています。

 皆さん日本ではかなり早期から、ともにブロックチェーン関連の事業に取り組んでいる印象です。出会いや各取り組みのきっかけとは何だったのでしょうか?

福島良典氏(以下敬称略):私が2018年にGunosyとAnyPayの合弁会社としてLayerXを設立した当初、主な活動の内容はブロックチェーン技術の研究開発と、技術を活用する企業へのコンサルティングを行うことでした。

 このときは、LayerXには独自のプロダクトと呼べるものがありませんでした。ブロックチェーン技術のニーズが高まっていくことは予想していたものの、この領域にどのような課題があって、それをどうやって解決していけばよいか、あまりビジョンが見えていなかったからです。

 しかし2019年末、セキュリティトークン技術の勉強会で、当時は三井物産にいた上野さんと出会いました。デジタル証券化などの取り組みによって、アセットマネジメントの在り方を変革できないかと考えていたところ、偶然にも意気投合したのです。そこから2人でなにかできないかと考え、2020年3月に共同でMDMを設立しました。

 我々LayerXは技術的知見を持っていて、三井物産はアセット化できるような魅力的な商品をたくさん抱えている。そして資金力もある。スタートアップの力だけでは、商品をアセット化することはなかなか難しいのですが、幸運にも大企業である三井物産の内部に、上野さんのようなアントレプレナーがいたのです。

平野:MDMの活動とは何でしょうか?

福島:ブロックチェーン技術による証券のデジタル化以外に、今はアセットマネジメントを取り巻く様々なプロセスのDXに着目しています。金融の世界では日常的に無数の取引が行われていますが、その間に存在するプロセスのほとんどが、未だアナログの状態です。請求や発注などが代表的な例ですね。

 それらすべてを完全にデジタル化することを、大きな目標としています。実現すれば、たとえば金融商品の購入ボタンをクリックするだけで、すべてのプロセスが一瞬で完了するような世界を作れるはずです。

平野:具体的なビジョンが見えたのですね。どのような経緯があったのでしょうか。

福島:LayerXとしてコンサルティングを行っていく中で、ブロックチェーン技術の活用が進まない主な理由の一つに、理想と現実の大きなギャップがあることが分かったのです。

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名須川 楓太(Biz/Zine編集部)(ナスカワ フウタ)

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