新規事業の検討は「市場→競合→自社アセット」の順で行う
遠藤:よく「大企業に行くのはもったいない」という人もいますが、実際のところ、GDPの約8割は大企業由来なんですよね。それにもかかわらず、大企業がチャレンジしようとしたら、揚げ足をとろうとするし、世間のバッシングもきつい。印象に残っているのは、ユニクロが野菜を販売したときのことです。それがうまくいかなかったとき、「ほら見たことか」という声があまりにも大きかった。前澤友作氏が「ZOZOTOWNの送料は無料にできない」と言ったときも、大炎上でしたよね。あのあたりで、経営者がTwitterやFacebookで発信することは百害あって一利なしみたいな空気が生まれました。こういった、大企業を叩く、資産家を叩くという風潮が続くと、チャレンジの芽が育っていかないと危惧します。
畠山:私もそこには危機感を抱いています。あと10年こんなことをやっていたら、日本は全員貧しくなってしまう。1950年代の日本のように死に物狂いになるかもしれませんが、そこまで戻る前に、もっとがむしゃらにやる空気を取り戻したいと考えています。そのためには、スタートアップを育てるだけではなく、大企業で新規事業を創っていくことも重要になってきます。