グッドパッチは、東京オフィスに新たにグローバル部門を設立し、企業のベンチャー構築をデザインの力で支援する新サービス「Goodpatch グローバルベンチャーデザイン」の本格提供を開始した。
Goodpatch グローバルベンチャーデザインは、コーポレートベンチャービルディング(CVB)手法をベースに、グッドパッチが独自に提供する事業デザイン支援サービス。日本と欧州の両拠点でグッドパッチが培ってきたグローバルなデザイン知見やデザイン思考の方法論を用い、国内外エンタープライズ企業による新規デジタル事業の立ち上げや、グローバル展開および日本市場進出に向けた新会社設立を、現地市場のリサーチから事業戦略デザイン、製品開発、ビジネス立ち上げまで一気通貫で支援するという。
グッドパッチはこれまで、デザインの力で多くの国内外企業の新規事業立ち上げや、DX(デジタルトランスフォーメーション)開発を支援する中で、多くの企業にとって「グローバル化」と「デジタル化」は避けて通れない共通課題であると認識。
Goodpatch グローバルベンチャーデザイン概要
Goodpatch グローバルベンチャーデザインでは、
- 発掘(プロブレムソリューションフィット/PSF)
- 構築(プロダクトマーケットフィット/PMF)
- スケール(ビジネスモデルフィット)
の大きく3段階に分け、投資の理にかなうアイデアの策定やチーム招集を含めた事業の立ち上げを強力に支援し、12ヶ月以内の現地市場参入を目指していくもの。
フェーズ1:発掘(プロブレムソリューションフィット)
参入市場で通用するものの見極めと検証を実施。ユーザーの心理、世界の市場、競合環境などを深く掘り下げ、顧客の課題を特定し、それを解決できるプロダクトを現地の視点で立案するという。また、市場で成功するための戦略を検証し、プロトタイプへの落とし込みまでも行う。
フェーズ2:構築(プロダクトマーケットフィット)
Minimum Lovable Product(MLP)を市場に投入するための戦略策定を行うフェーズ。フェーズ1で作成されたビジョンプロトタイプから、より効果的なMLPを作るための仕様を定義。4〜9ヶ月の短期間でUXレベルの高いPoC開発を目指すとしている。
フェーズ3:スケール(ビジネスモデルフィット)
市場の変化に適応しながら、ビジネスを商業化し、収益性を高めることで持続可能なビジネスを目指す。より永続的な組織を構築するため、将来そのベンチャー企業をリードする人材の採用にも焦点を当てていくという。
グッドパッチは本サービスの基本方針として「Design Meets Sustainability」を掲げている。サービスの提供過程において顧客企業のビジネスゴールや企業理念と共に、グローバルビジネスにおいて重要な要素となるSDGs(持続可能な開発目標)を意識した考え方を組み合わせ、企業の価値創造に貢献していくとしている。
本サービスの提供に際し、ベルリンのGoodpatch GmbHで6年以上に渡って代表を務めた取締役執行役員の實方(じつかた)ボリス氏が事業責任者として東京オフィスから指揮を執る。日本と欧州拠点のシナジーを最大限発揮できることを意図しているという。
参考:コーポレートベンチャービルディング(CVB)について
CVBは、企業がスタートアップ設立の要領で新たに独立会社を立ち上げる企業イノベーション手法。現在主に欧州や米国で広がりを見せている。CVBを用いることで企業は自社の既存資産である販売経路や知名度、知的財産などを活用しながら、本業とは異なるビジネスモデルや事業の展開が可能となる。社外の企業に投資するコーポレートベンチャーキャピタルと異なり、企業が直接的に会社を設立できることが特徴だという。新会社の新たな活力と遂行スピードを活かすことで、企業がデジタル変革やグローバル展開に挑戦、適応することを可能にすると述べている。