旭食品と日立製作所(以下、日立)は、両社の協創を通じて、発注業務時間の削減および食品の欠品・返品を低減したことを発表した。
旭食品は、国内35ヵ所の物流倉庫における発注業務に対して、2021年9月から、独自アルゴリズムにより需要を予測するとともに適正在庫量を勘案して発注推奨値を算出・提示するシステムの稼働を開始。同システム導入後の効果として、従来、複数の熟練担当者が1人1日あたり約4時間を要していた発注内容を判断するための調査やチェックなどの業務を約30分に削減でき、欠品を約4割、返品を最大約3割低減できたことを確認したという。
なお、同システムは、日立の「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注サービス」を活用したもの。システムの特徴は以下のとおり。
- 需要予測と在庫管理を連係させてデータを統合することにより、需要・在庫状況に即し、欠品・返品によるロスを抑え利益最大化となる発注量を自動計算することが可能
- 各拠点でアイテムごとの発注推奨値がシステムから勧告されるため、人が行う作業は発注量の確認と決定のみ
- これまで各個人が外部Webサイトから手作業でダウンロードしていた得意先公開の受注速報値や気象データ(天候・気温)などのデータ収集作業は、Webクローリング技術により自動化
- サブスクリプション型で拠点数に基づいた料金で利用可能
同社は、同システムと日立の統合物流管理システム「HITLUSTER(ヒットラスター)」を連係されることにより、在庫の一元管理を可能にし、これまで担当者が複数のシステムやツールを使って行っていたデータ収集・作成・入力といった事務作業を排除するなど、在庫管理業務そのものの自動化も実現するという。
両社は今後、旭食品の業務効率化や働き方改革、食品ロスの削減を推進するとともに、データを活用した持続的な成長を目指すとしている。